大野芳政:証券会社ごとに株価レーティングによる値動きに特徴があるってホント?【FISCOソーシャルレポーター】

Fisco

発行済 2023年07月11日 12:00

更新済 2023年07月11日 12:15

*12:00JST 大野芳政:証券会社ごとに株価レーティングによる値動きに特徴があるってホント?【FISCOソーシャルレポーター】 以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家「大野芳政」氏(ブログ:『サラリーマン投資家が株式投資でムリなく月10万円を稼ぐ方法』)が執筆したコメントです。
フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。


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※2023年7月8日17時に執筆

証券アナリストの大野芳政と申します。


私は過去に投資顧問でアナリストをしていましたが、今は一般企業に勤めるごく普通のサラリーマンです。
一般の会社員なら、本業をしながら副業として株式投資でお小遣いを稼ぐことを夢見る方も多いのではないでしょうか。
しかし、サラリーマン投資家は日中、相場を見ることができないという大きなハンデがあります。
でも、発想を転換すると、それが武器にもなるのです。
相場を見ることができないということは、値動きに一喜一憂しなくて済むということです。
トレーダーが失敗する理由は、値動きに感情が支配されてしまうことです。
なので、銘柄選びをしっかりすれば、あとは機械的に売買することで自然と資産は増えていくのです。


銘柄選びの秘訣はずばり需給を読むことです。
特に機関投資家の動向を読むことが肝要です。
彼らはアナリストレポートの株価レーティングをもとに投資銘柄を選定します。
つまり、株価レーティングを分析すれば、必然的に儲かる銘柄が発掘できるのです。


私は投資顧問で勤務していた頃から、玉石混交のアナリストレポートから「玉」を見分けることが得意でした。
その経験を活かして、少しでもサラリーマン投資家の皆様のお力になれるような情報を発信していきます。


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おはよしまさ(/ω\)

前回に続き、唐突な質問ですみません。


面接などでよく聞かれる質問ですね。


例えば、あなたの強みは決断力があることだとしましょう。
しかし、言い換えると、物事を深く考えずに決断しがちということにもなります。
強みは弱みにもなります。
逆もまた然りです。
そう考えると、強み・弱みというのは、第三者の捉え方に過ぎないのかもしれません。
そもそも人には強み・弱みなどというものは存在せず、あるのはその人の性格や特徴なのではないでしょうか。


投資の手法も合う、合わないがあります。
有力投資家の投資法をそのまま真似しても勝てるとは限りません。
自分の特徴や性格にあった投資法を見つけることが重要なのです。


株価レーティングも、アナリストレポートを発行する証券会社にもよって値動きに特徴があります。
なので、株価レーティングから上昇株を発掘するためには、証券会社の特徴を把握し、値動きのクセを掴むことが重要となります。
なぜ値動きの特徴が異なるかというと、証券会社やシンクタンクの規模や抱えている顧客などが異なるからです。


証券会社では、自社のアナリストが調査したレポートを用いて、機関投資家などの大口投資家に銘柄を勧め、売買手数料を稼ぎます。
過去にはアナリストがレポートをリリースする前に顧客に買わせて、値上がりしたときに売り抜けるといった事件がありました。
しかし、現在は同じ証券会社内でも、アナリストレポートをリリースする調査部門と、自己売買などの運用部門はファイアーウォールで情報が完全に遮断されており、このような利益相反行為ができなくなっています。


証券会社は大きく分けて、野村證券、SMBC日興証券、大和証券などの国内系と、ゴールドマン・サックス、JPモルガン証券、クレディスイス証券などの外資系があります。
とりわけ、世界各地に拠点を置く外資系は規模が大きく、先物やオプション取引などのデリバティブや信用取引を積極的に駆使し、利ザヤを追求することを目的としているヘッジファンドが主要顧客であることが多いです。


具体的には、ゴールドマンサックスやJPモルガン証券は世界経済の動向を見極めて有望市場に投資する「グローバルマクロ」が多く、クレディスイスやモルガンスタンレーは大きな相場の流れに乗る「トレンドフォロー」を採用するCTA(商品投資顧問)などのヘッジファンドが多いようです。


国内の機関投資家や個人投資家が中心である国内系よりも、ヘッジファンドが主要顧客である外資系の方が株式市場における影響力は大きいといえるでしょう。
言い換えると、外資系証券の株価レーティングは国内系に比べて株価インパクトが強いとも言えます。


また、機関投資家の意思決定のスピードにも大きな違いがあります。
国内の機関投資家はアナリストレポートがリリースされてから実際に投資するまで1~2カ月程度かかります。
一方、外資系は数週間、早ければ数日というように意思決定が早く、短期で大きく値幅を取りに行くという特徴があります。


しかし、外資系証券のアナリストレポートは個人投資家では入手が非常に困難です。
機関投資家より先に仕込むことための時間的猶予が限られていることを考慮すれば、株価インパクトは比較的大きくないけれども国内系で安定的に稼ぐことの方が資産形成の近道になると私は考えています。




今週、目立ったレーティングで観測されているのは下記の通りです。




〇東海東京調査センター
プレス工業 (TYO:7246) 新規OUTPERFORM(強気) 目標株価1,000円
品川リフラクトリーズ (TYO:5351) 新規OUTPERFORM(強気) 目標株価7,800円
TSIHD (TYO:3608) 新規OUTPERFORM(強気) 目標株価1,010円


〇岩井コスモ証券
スズキ (TYO:7269) 新規A 目標株価6,000円


〇三菱UFJMS
マイクロニクス (TYO:6871) Hold(中立)→Buy(買い) 目標株価1,700円→2,700円
ファンケル (TYO:4921) Neutral(中立)→Overweight(強気) 目標株価2,300円→3,000円


〇いちよし証券
神戸天然物化学 (TYO:6568) 新規A 目標株価4,000円



そんな中、今後1~2週間程度で面白そうだと私が気になった銘柄はキッツ (TYO:6498)です。
いちよし証券が7月4日付けで投資判断を付与していませんが、レポートをリリースしていることが伝わっています。


レポートでは、半導体関連ビジネスが成長ドライバーとして意識されると注目しているようです。
また足元の好業績も半導体装置向けの利益率が上昇するなど好調な滑り出しであり、バルブ製品価格の値上げ表明もあり、会社側予想は保守的と指摘しています。


半導体に関連する銘柄ということもあり株価は高値圏にありますが、PBR(株価純資産倍率)は1.1倍程度と割安感があり、1000円台で足場を固めた後は再度上値を試しに行く展開に、私は期待しています。

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執筆者名:大野芳政
ブログ名:『サラリーマン投資家が株式投資でムリなく月10万円を稼ぐ方法』

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