欧州外為市場=ドルが対ユーロで上昇、中東情勢巡る懸念で

Reuters

発行済 2023年10月10日 04:55

更新済 2023年10月10日 05:45

[ニューヨーク/ロンドン 9日 ロイター] - 欧州外為市場では、安全通貨であるドルがユーロに対して上昇した。パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃が、ガザ以外にも飛び火するとの懸念が高まった。ただ、ドル指数は下落した。

イスラエルのネタニヤフ首相は9日、ハマスの攻撃に対するイスラエルの対応は「中東を変える」と述べた。

イスラエルの通貨シェケルは約3.1%安の1ドル=3.9550シェケル。イスラエル中央銀行は9日、最大300億ドルの外貨を市場で売却すると発表。発表前、シェケルは3%以上急落し、1ドル=3.9880シェケルと約8年ぶりの安値を付けた。

ジェフリーズのグローバル外為部門責任者、ブラッド・ベクテル氏は「若干のリスク回避の動きだ。全体的なパニックや大規模な売りではなく、市場が事態の推移を見守る中、安全資産にやや向かっている」と指摘。「地政学的な出来事が市場に与える影響は通常、非常に短期的」とした。

ドル指数は0.16%安。ユーロ/ドルは0.19%安の1.0566ドルだった。

円は1ドル=148.47円と0.57%上昇。東京市場は祝日で休場だった。

バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフマーケットストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は、紛争がイスラエルとハマス以外に広がらない限り、「再び経済のファンダメンタルズに集中できる」と指摘。「地政学的なイベントが市場を動かすとはまだ確信が持てない」とした。

ポンドは対ドルで序盤の下げから切り返し、小幅高の1.224ドル。米ドルはカナダドル、オーストラリアドル、ニュージーランドドルのほか、ノルウェークローネやスウェーデンクローナに対しても下落した。

連休明けの人民元は対ドルで底堅く推移。予想を上回った基準値に支援された。

オフショア人民元は0.24%安の1ドル=7.2915元。

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