午後3時のドルは149円後半で上値重い、介入警戒感や株安で

Reuters

発行済 2023年10月19日 15:25

Mariko Sakaguchi

[東京 19日 ロイター] - 午後3時のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(149.92/94円)に比べて小幅にドル安/円高の149円後半で推移している。政府・日銀による為替介入への警戒感が強く、加えてアジア株安などもあり、ドルの上値は重かった。

ドルは朝方に一時149.66円まで小幅に下落した。この日発表された貿易収支が黒字となったことや、日経平均株価が大幅に下落したことなどを背景にドル売り/円買いが強まった。

また、150円を手前に上値の重さが意識され、利益確定の売りも持ち込まれたとみられる。仲値は引き続き薄商いで、実需のフローで方向感は出なかった。

米長期金利の上昇の流れが波及し、円債市場では新発10年債利回りが一時0.840%と2013年7月以来の高水準まで上昇。「日銀の政策修正への警戒感も広がっており、ドル高/円安のポジションを取りにくい」(国内銀行セールス)との声が聞かれ、その後は149円後半で小動きとなった。

神田真人財務官は午後に都内で講演し、為替について「様々な要因が影響し、金利はその一つに過ぎない」、「過度な変動があった時適切に対応するという国際的な合意がある」などと語った。いまのところ市場の反応は乏しい。

時間外取引の米長期金利は一時4.96%まで上昇し、2007年以来16年ぶりの高水準で推移している。ただ、米金利上昇に伴うドル高にはつながらなかった。

りそな銀行の総合資金部市場トレーディング室、田中春菜氏は「市場は150円の壁を感じている」と指摘。「米金利上昇で株価が下落するなど、景気を圧迫する悪い金利上昇と受け止められている可能性がある。いままでのような勢いのあるドル買いは入りにくい」との見方を示す。

今晩のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演に市場の関心が集まっている。あおぞら銀行のチーフマーケットストラテジスト、諸我晃氏は「追加利上げや利下げについては、データ次第という言及にとどまるとみている」とし、市場で材料視されるような発言はでてこないのではないかと予想している。

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