午後3時のドルは146円半ば、円底堅い 中国リスク警戒

Reuters

発行済 2023年12月07日 16:04

Shinji Kitamura

[東京 7日 ロイター] -

午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル安/円高の146円後半で取引されている。中国などアジア株が軟調に展開したことを背景に、ドルと円が底堅くなるリスクオフ型の動きとなった。

中国株式市場でCSI300指数が5年ぶりの安値を更新したことなどを受け、東京の為替市場ではドルと円に買いが集まった。利下げ観測が急速に高まってきたユーロが対ドルで1.07ドル半ばと3週間ぶり、対円で95円後半とひと月半ぶり安値を更新したほか、豪ドルもそれぞれ1年ぶり、1カ月ぶり安値を更新した。

豪ドル安の手掛かりとして、原油価格の下げを指摘する声も出ていた。米国のガソリン在庫増などもあり、米原油先物は半年ぶり安値を更新した。

米格付け会社ムーディーズが6日、中国地方政府の資金調達会社である融資平台(LGFV)26社と国有企業4社、銀行8行を格下げ方向で見直すと発表したことも話題となった。「中国景気の減速リスクが警戒された」(外銀アナリスト)といい、原油相場の売り手掛かりにもなったという。

5日には格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスが、中国の信用格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げている。

ドルと円がともに強含みとなったことで、ドル/円は146円後半から147円前半で売買が交錯したが、午後には円買いがやや優勢となり、146円半ばまで下げ幅を広げた。「来週にかけて今年最後の米雇用統計と消費者物価指数(CPI)、米連邦公開市場委員会(FOMC)とイベントが続くため、持ち高調整的な円買い戻しも出ている」(国内金融機関)との指摘もあった。

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