国内株式市場見通し:日銀会合では「マイナス金利の解除」を実施へ

Fisco

発行済 2024年03月16日 14:18

更新済 2024年03月16日 14:30

*14:18JST 国内株式市場見通し:日銀会合では「マイナス金利の解除」を実施へ ■半導体株下落で日経平均も下落基調に


今週の日経平均は週間で981.30円安(-2.47%)の38707.64円と下落した。
ナスダック指数の下落など米国株の上げが一服したことや、為替の円高ドル安が重しとなり、週初11日の下落幅は一時1200円に迫るなど、日経平均は週を通して弱い動きとなった。
ここまで日経平均のけん引役だった東京エレクトロン (TYO:8035)とアドバンテスト (TYO:6857)など値がさ半導体株が弱かったことで、日経平均は12日に38271.38円まで下げ幅を拡大する場面も見られた。
ただ、足元の金価格や原油価格の上昇を受けて、時価総額の大きい資源関連株や商社株などバリュー銘柄が買われたことや、為替の円高進行が一服したことなどから日経平均は下げ渋る動きも見られた。
週末の日経平均は25日移動平均線水準(38817.62円)を下回って取引を終えたが、バリュー銘柄への出遅れ物色が入ったことからTOPIXは2670.80ポイントと25日移動平均線(2656.52ポイント)を上回った。



なお、3月第1週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を1846億円買い越したほか、TOPIX先物を964億円買い越し、225先物は1509億円買い越したことから、合計4319億円の買い越しとなった。
個人投資家は現物を3080億円買い越し、自己も現物を4757億円買い越した。
一方、信託が現物を6811億円売り越した。


■1月からの強い上昇は一服か


日経平均は25日移動平均線水準を挟んでのもみ合いとなっており、短期的な過熱感はだいぶ和らいだと言えよう。
ただ、200日移動平均線との上方乖離率はまだ15%ほどあることから、一部市場関係者からは「3月末にかけての年金のリバランスなども考慮して調整局面はまだ続く」との声も聞かれる。
チャート上では、5日移動平均線が25日移動平均線を下回った。
25日移動平均線が上向きのため、そこまでネガティブな売りサインというわけではないが、1月から続いていた一本調子の上昇はいったん終了と見る。
75日移動平均線や200日移動平均線は右肩上がりで推移していることから中期的な上昇トレンドは崩れていないが、東証プライム市場の売買代金も減少していることから、短期的には3月末近くまで上値の重い展開が続くと考えておきたい。


■日銀会合では「マイナス金利の解除を実施」との報道


15日の米国市場は続落。
ダウ平均は前日比190.89ドル安(-0.49%)の38714.77ドル、ナスダックは155.35ポイント安(-0.96%)の15973.18、S&P500は33.39ポイント安(-0.65%)の5117.09で取引を終了した。
大証ナイト終値は通常取引終値比270円高の38660円。
米国株は弱いが、円安などを材料に週明けの東京市場は買い優勢で取引を開始すると想定する。



18-19日に開催される日本銀行の金融政策決定会合では「マイナス金利の解除を議論する」と見られていたが、2024年の春闘では賃上げ率が平均5.25%と23年の3.58%を大幅に上回り、33年ぶりの高い水準となったことを受けて、一部報道で「マイナス金利の解除を実施する見通し」と報じられた。
東京時間15日夜に速報で報じられたことから、15日の米国株式市場の結果は、このニュースを織り込んでいるとみられる。
本来であれば、「マイナス金利の解除」という大規模緩和の象徴的な金融緩和方針の転換、つまり金融引き締めに動くことは、株安、そして、日米金利差が縮小する話につながることなので円高ドル安要因となりそうだ。
しかし、為替は1ドル=149円台の円安推移となり、大証ナイトが上昇したという反応をみる限り、「日銀の本気度の現れ」「デフレ脱却」と海外市場では捉えられたのだろう。



また、日銀は、「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール(YCC))の撤廃」「上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)などリスク資産の買い入れ終了」も終了する見通しと伝わっている。
YCCやリスク資産買い入れは実質終了しているようなものなので、市場へのネガティブな影響は無いと考える。
昨年末以降、日銀は「金融政策の正常化」の地ならしを行い市場との対話を重ねてきた。
19日の結果発表及び植田和男日銀総裁の記者会見は、市場にネガティブなインパクトを与えることなく「金融政策の正常化」に踏み出せるか注目だ。


■18-19日は日銀会合、19-20日はFOMC


来週にかけて、国内は、18日に1月機械受注、1月鉱工業生産(確報値)、21日に2月貿易収支、22日に2月全国消費者物価指数(CPI)などが予定されている。
なお、日銀金融政策決定会合は18-19日開催。



海外では、18日に中・2月小売売上高、鉱工業生産指数、19日に豪中銀政策金利発表、独・3月ZEW景況感指数、欧・3月ユーロ圏ZEW景況感指数、米・2月住宅着工件数、米連邦公開市場委員会(FOMC)(~20日)、20日に中・ローンプライムレート、英・2月CPI、米・FOMC終了後政策金利発表、21日にNZ・10-12月国内総生産(GDP)、豪・2月雇用統計、スイス・中銀政策金利発表、欧・3月ユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)、サービス業PMI(速報値)、トルコ・中央銀行政策金利発表、英・英中銀政策金利発表、米・週次新規失業保険申請件数、10-12月経常収支、3月フィラデルフィア連銀景況指数、3月製造業PMI(速報値)、サービス業PMI(速報値)、総合PMI(速報値)、2月景気先行指数、中古住宅販売件数、22日に英・2月小売売上高などが予定されている。



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