午後3時のドルは1週間半ぶり150円台、日銀利上げ後に円安進行

Reuters

発行済 2024年03月19日 15:17

Shinji Kitamura

[東京 19日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル高/円安の150円前半で取引されている。日銀がこの日の金融政策決定会合でゼロ金利政策の解除を決めたものの、追加利上げは難しいとの見方から、円が広範に下落した。

日銀の決定内容は、ほぼ市場の事前予想通り。会合前からゼロ金利解除を織り込む形で円安が進行していたこともあり、発表後は149円前半までドルが反落する場面もあった。

しかし売買の交錯を経て、円は次第に売りが活発となった。「(日銀が今後も)政策修正を継続するという方向感は円高要因だが、そのペースは極めて鈍い。日銀側の要因で円相場が水準を切り上げていくのは難しい」(大和証券チーフ為替ストラテジストの多田出健太氏)という。

ドルが一段高となり1週間半ぶりに150円台へ乗せると、円安は他通貨にも波及した。ユーロが163円台と朝方の安値から1円超上昇したほか、スイスフランも167円後半から169円台へ切り返した。

市場では「日銀は国債買い入れを据え置き、金利が急上昇した際は買い入れを増やす方針を示した。これは政策の継続性に対するコミットメントといえ、円金利の上昇が資金の本国回帰を促し、円相場を押し上げる可能性を大きく削減した」(ウエストパック銀行為替戦略責任者のリチャード・フラヌロビッチ氏)との指摘も出ていた。

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