イスラエル・ハマス軍事衝突、2週目に突入 国際社会の懸念強まる

Reuters

発行済 2021年05月17日 12:59

更新済 2021年05月17日 17:36

[ガザ/エルサレム/テルアビブ 17日 ロイター] - イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスによる武力衝突は2週目に突入し、国際社会が懸念を強める中、停戦の兆しは見られない。

イスラエル軍は17日深夜過ぎにイスラエルの都市ベエルシェバとアシュケロンにガザからロケット弾が撃ち込まれたのを受け、「テロ関連の標的」を戦闘機で空爆したと表明。目撃者によると、ガザの道路や治安関連のビル、武装勢力の訓練キャンプや住宅が空爆を受けた。

15日と16日にそれぞれ120発と200発に上ったハマス側からのロケット弾は約60発に減少した。

双方による死者の報告はこれまでのところない。

イスラエルによる16日のガザ空爆では複数の住宅が破壊され、保健当局によると子ども10人を含む42人のパレスチナ人が死亡。ハマスはイスラエルに対するロケット弾攻撃を続けており、国際社会の懸念は強まっている。

ブリンケン米国務長官はエジプト外相との電話会談後、ツイッターへの投稿で「全当事者が緊張を緩和させる必要がある。武力衝突をすぐに終わらせるべきだ」と訴えた。

イスラエルとパレスチナによる軍事衝突を巡り国連安全保障理事会が16日に開いた公開の緊急会合で、トーマスグリーンフィールド米国連大使は「当事者が停戦を求めるなら」米国として支援の用意があると強調した。

ガザの保健当局によると、ハマスがロケット攻撃を始めた10日以降、子ども58人と女性34人を含む197人が死亡。イスラエル当局によると、同国では子ども2人を含む10人が死亡した。

バイデン米大統領は16日、米政権は全当事者とともに持続的な安定確保に向け取り組んでいると語った。イスラム教の祝日イベントで放映された録画ビデオで「パレスチナ人もイスラエル人も、同じように安心して安全に生活し、同等の自由と繁栄と民主主義を享受する権利があると信じている」と強調した。