Reuters
発行済 2021年05月18日 09:06
更新済 2021年05月18日 13:36
[東京 18日 ロイター] - 内閣府が18日発表した2021年1―3月期実質国内総生産(GDP)1次速報は前期比1.3%減、年率換算で5.1%減となった。大都市圏を中心とする1月の緊急事態宣言発令で個人消費が落ち込み、3四半期ぶりのマイナス成長に陥った。2020年度の実質成長率は4.6%減となり、年度ベースの下げ幅はリーマン危機時を上回り比較可能な1995年度以降で最大だった。戦後最悪の落ち込みとなる。
<予想下回る結果>
ロイターが実施した民間機関調査では前期比1.2%減、年率4.6%減になると予想されていた。公表された成長率は予測を下回った。
GDPの多くを占める個人消費は前期比1.4%減と、3四半期ぶりにマイナスに沈んだ。外食などのサービス消費が振るわなかった。自動車販売などの耐久財需要も冷え込んだ。
企業の設備投資は予想に反して前期比1.4%のマイナスだった。設備投資のマイナスは2四半期ぶり。内閣府によると、通信関連や自動車などへの投資が減少した。
海外経済の回復を受けて輸出は前期比2.3%のプラスだった。一方、輸入が同4.0%のプラスとなった影響で、GDP全体に占める外需の寄与度はマイナス0.2%となった。内需は1.1%のマイナス寄与だった。
年度ベースの成長率は19年度の0.5%減に続いて2年連続のマイナス成長となった。年度の下げ幅は08年度の3.6%減が最大だった。個人消費や設備投資の減少が響いた。
<「機動的に必要な対策」と西村氏>
西村康稔経済財政・再生相は同日午前の記者会見で、1―3月期GDPがマイナス成長となった主因を「緊急事態宣言によるサービス消費の下押し」と説明した。
4月以降も再び緊急事態宣言を発出しており、その影響に十分注意が必要との認識を示し、「20年度3次補正、21年度予算を迅速かつ適切に執行するとともに、予備費活用を含めて機動的に必要な対策講じる」と強調した。
麻生太郎財務相は、世界経済の現状に関し、国によって景気回復にばらつきがあるものの、「ワクチン(接種の遅れ)などの影響もあり、持ち直していくということは間違いないと思っている」と述べた。
*内容を追加しました。
が書いた: Reuters
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