英首相、北アイルランド問題巡りEUに警告 「緊急措置辞さず」

Reuters

発行済 2021年06月13日 21:09

[カービスベイ(英イングランド) 12日 ロイター] - 英国のジョンソン首相は12日、英領北アイルランドの貿易を巡る欧州連合(EU)との対立について、英国は領土保全のためには「何でもする」と述べ、セーフガードの発動も辞さない考えを示した。

バイデン米大統領が双方に歩み寄りを促しているにもかかわらず、ジョンソン氏はこの問題で譲歩しない意向だ。

ジョンソン氏はスカイニュースに対し、「問題解決は可能だと思うが、英国が何でもする覚悟だと理解するかはEU次第だ」と発言。「北アイルランド議定書が現状のまま適用される場合、われわれは議定書第16条(セーフガード条項)の発動も辞さない」と語った。

ジョンソン氏はこれに先立ち、主要7カ国(G7)首脳会議の合間に、マクロン仏大統領、メルケル独首相、欧州委員会のフォンデアライエン委員長らと会談した。

この会談で、EU側は英国に対し、すでに合意した離脱協定の全面的な履行と、英本土・北アイルランド間を移動する一部製品への税関検査の導入を再度求めた一方、英国は対立緩和に向けた迅速かつ斬新な解決を呼び掛けた。

メルケル氏はこの問題で実務的な解決策が必要との考えを示した。また、関係筋によると、マクロン氏はジョンソン氏に対し、離脱合意を順守するならば、英国との関係改善は可能だと伝えた。