ハイチの大統領暗殺、容疑者4人殺害・2人拘束 銃撃戦続く

Reuters

発行済 2021年07月07日 23:05

更新済 2021年07月08日 12:27

[ポルトープランス/ニューヨーク 7日 ロイター] - ハイチ政府は7日、モイーズ大統領(53)が同日未明、自宅に押し入った武装集団に射殺されたと発表した。首都ポルトープランスでは数カ月前から武装集団による抗争が続いていた。大統領暗殺を受け、米国のほか、他の中南米諸国から犯行グループに対する非難が相次いでいる。

警察長官は7日遅く、容疑者である雇われ兵4人を殺害し、2人を拘束したと発表。現在も容疑者グループとの銃撃戦が続いているとし、「(容疑者は)殺されるか、逮捕される」と述べた。

ハイチのジョセフ暫定首相は「野蛮な行為」と非難した上で「政府の持続性を確実にし、国を守るために全ての手段を講じる」と言明。閣議後にテレビ放映された演説で、期間2週間の非常事態を宣言した。

ジョセフ氏によると、事件が起きたのは現地時間午前1時ごろ。「身元不明の集団が大統領の自宅を襲撃し、大統領が殺害された。武装集団の何人かはスペイン語を話していた」と説明した。

ハイチの公用語はフランス語とクレオール語だが、当局者は犯行グループは英語とスペイン語を話していたとしており、外国人が含まれていた可能性があるとの見方を示している。

大統領夫人のマルティーヌ氏も銃撃されて重体。米テレビ局によると、治療のため米フロリダ州マイアミに搬送された。

ハイチのエドモンド駐米大使によると、武装集団は米麻薬取締局(DEA)の捜査官を装ってモイーズ大統領の自宅に押し入ったという。

事件を受け、バイデン米大統領は「凶悪な行為を非難する」と述べ、非常に憂慮すべき情勢で、一段の情報が必要と指摘した。

米ホワイトハウスのサキ報道官によると、米政府は「この悲劇的な襲撃」について情報を収集しており、「必要ないかなる支援も実施する用意を整えている」という。

グテレス国連事務総長の報道官は声明で「犯人は裁かれなければならない」と強調。「国連はハイチ政府および国民を引き続き支持する」とした。

国連安全保障理事会の7月の議長国であるフランスのニコラ・ド・リヴィエール国連大使も、大きな衝撃を受け悲しみを抱いていると表明。8日にも安保理の会合が開かれる見通しと述べた。

ジョセフ氏は、安保理の早急な開催を要請し、国際社会による暗殺事件の調査開始を求めた。

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