ロシア、「短い予告」でウクライナ攻撃も 外交努力を継続=米国務長官

Reuters

発行済 2022年01月20日 00:00

更新済 2022年01月20日 02:54

[キエフ 19日 ロイター] - ブリンケン米国務長官は19日、ウクライナを訪問し、ロシアが「極めて短い予告」でウクライナを攻撃する恐れがあるとの認識を示した。同時に、米政府は可能な限り、外交的解決策を模索すると言明した。

首都キエフで行われたウクライナのゼレンスキー大統領との会談では、ウクライナが厳しい時期に備える必要があるとした上で、米政府はウクライナに軍事支援を続けるとし、ロシアがウクライナに侵攻すれば、厳しい対ロシア制裁を課すと改めて表明。「新たな侵略を回避し、対話と平和の促進に向け、徹底した外交努力を行う」と確約した。

ゼレンスキー大統領は米政府による軍事支援に謝意を表明した。

ブリンケン氏はロシアとウクライナを巡る危機の緩和に向け欧州を訪問中。ウクライナ訪問後は、ドイツでベーアボック独外相と会談し、21日にスイスのジュネーブでロシアのラブロフ外相と会談する。

ブリンケン長官はキエフの米国大使館で、ロシアがウクライナとの国境沿いに数万人の兵力を増強していることについて、「極めて短い予告で兵力の一段の増強を行う計画があることを承知している。これにより、ロシアのプーチン大統領は極めて短い予告でウクライナに対する一段の攻撃的な行動に出ることができるようになる」と述べた。

ロシアがどの程度早期に動くかについては言及しなかった。安全保障関連のアナリストによると、ロシアは即時の攻撃開始に必要となる医療部隊などの集結は行っていないもよう。

ロシアは隣国ベラルーシと実施する共同軍事演習のために同国に軍を派遣。ウクライナを北、東、南から攻撃する用意が整うとの見方も出ている。

ロシアのリャブコフ外務次官は、大規模な戦争勃発のリスクがあるとは考えていないとし、ロシアにはウクライナ攻撃や侵攻の計画はないと改めて表明した。

ロシアの元外交官で外交政策アナリストのウラジーミル・フロロフ氏は、21日に予定されるブリンケン長官とラブロフ外相の会談について「列車が大破する前の最後の停車駅」と形容。ロシアがベラルーシに共同軍事演習のために軍を派遣したことは「深刻なエスカレーション」だとし、「米国が一歩後退し、ウクライナをロシアに引き渡さない限り、何らかの軍事的な選択肢は回避できない公算が大きい」と述べた。

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