ロシア下院、大統領にウクライナ東部親ロ地域の独立承認を要請へ

Reuters

発行済 2022年02月16日 00:11

更新済 2022年02月16日 05:01

[モスクワ/ブリュッセル/キエフ/パリ 15日 ロイター] - ロシア下院は15日、ウクライナ東部の親ロシア派が実行支配する2地域の独立を承認するようプーチン大統領に要請する案の採決を行い、承認した。ボロジン下院議長が明らかにした。

ウクライナ東部ドンバス地域の「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立が承認されれば、ウクライナ東部の停戦と和平への道筋を示した2015年の「ミンスク合意」が根底から覆されるため、ロシアと西側諸国との間の対立が一段と深まる恐れがある。

ボロジン下院議長は「ウクライナはミンスク合意を履行していない。ドンバス地域に暮らすわれわれの市民と同胞は支援を必要としている」とソーシャルメディアに投稿。独立承認を要請する案は直ちに大統領府に送られるとした。ただプーチン大統領がどの程度の時間をかけて精査するかは不明。

ペスコフ大統領報道官は、ロシアはドンバス地域に大きな関心を持っていると述べたものの、現時点では何も決定されていないとし、下院が承認した案の内容に関するコメントは控えた。ミンスク合意については、ロシアはこれまでもコミットメントを繰り返し示してきたとし、履行を望んでいると語った。

プーチン大統領は記者会見で、どのように対応するかは明言しなかったものの、ロシアはドンバス地域の問題をミンスク合意を通して解決することを望んでいると述べた。

ロシア下院が同案を承認したことについて、ウクライナのクレバ外相は「決定されれば、ロシアは事実上、かつ法的にもミンスク合意を離脱することになる。これには代償が伴う」と述べた。

インタファクス・ウクライナによると、ウクライナは欧州安保協力機構(OSCE)とロシアとの間の緊急会合の開催を要請した。