ウクライナ大統領「最悪の戦争犯罪」、惨状訴え 国連改革も要請

Reuters

発行済 2022年04月06日 00:46

更新済 2022年04月06日 10:46

[国連 5日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は5日、国連安全保障理事会でオンライン演説し、ロシア軍が第二次世界大戦以降で「最も恐ろしい戦争犯罪」を犯したとし、ロシアの「説明責任は不可避」と言明した。

ゼレンスキー大統領は、ウクライナのイルピンやマリウポリ、ブチャなどで撮影された子どもの遺体や切断された遺体の映像を公開し、現地の惨状を訴えた。

国連安保理の常任理事国であるロシアが拒否権を握っているため、ロシアのウクライナ侵攻を巡り国連が行動を取ることができない現状に疑問を呈した。ロシアはウクライナを「沈黙の奴隷」にすることを望んでいるとし、国連が効果的に機能することを確実にするために国連の体制を改革するよう訴えた。

ロシアのネベンジャ国連大使は「ロシアの兵士と軍に関する大規模なうそを再び耳にしている」とコメントした。さらに、ロシア軍は民間人を標的にしていない点を挙げて「これが多くの予想ほど早いペースで進軍していない理由だ」と述べた。

中国の張軍・国連大使は、ブチャにおける民間人死亡の映像に「ひどく動揺」したとし、事実の検証を呼び掛けた。ウクライナ侵攻開始後、中国は国連で大半の投票を棄権し、距離を置いている。

軍事関連機器などでロシアに大きく依存するインドも、国連での投票を棄権しているが、ブチャでの状況を巡り独立した調査を要請した。

米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は、世界の首脳が「ロシアのウクライナや世界に対する危険かつ理不尽な脅威に立ち向かう」必要があると強調した。

トーマスグリーンフィールド国連大使は4日、ロシアの国連人権理事会のメンバー資格停止を国連総会に求める意向を明らかにしている。

外交筋によると、国連総会は7日にロシアの資格停止に向けた採決を実施する公算が大きい。