中国、ソロモン諸島と安全保障協定を締結と発表 米・豪は懸念

Reuters

発行済 2022年04月19日 19:30

更新済 2022年04月20日 09:37

[シドニー/北京 19日 ロイター] - 中国外務省は19日、南太平洋の島国ソロモン諸島との間で安全保障協定を締結したと発表した。

汪文斌報道官は定例記者会見で、両国外相が協定に最近署名したと説明。具体的な場所や日時については明らかにしなかった。

ソロモン諸島の議会幹部、ダグラス・エテ氏は先に、中国高官が5月半ばに同地を訪れ、協定に署名すると議員に説明していた。

エテ氏は、協定締結により、両国は貿易・教育・漁業に関する協力を深めるとした上で、中国による軍事基地建設を認めることには反対だと語った。また、ソガバレ首相は議会で、提案されている安全保障協定に中国の軍事基地は含まれないと述べた。

一方、ハイレベル代表団を今週ソロモン諸島に派遣すると発表していた米ホワイトハウスは、協定が透明性を欠き、具体的でない点を懸念していると表明した。

米国家安全保障会議(NSC)の報道官は、協定締結の発表について「現地との協議をほとんどしないまま曖昧な提案をする中国のお決まりのやり方だ」と語った。

中国とソロモン諸島の協定が、自国から2000キロ以内の中国軍駐留につながることを懸念している豪政府の当局者は、中国は米代表団の到着前に先手を打ちたいようだと述べた。