マリウポリ製鉄所から民間人100人退避、米下院議長キーウ訪問

Reuters

発行済 2022年05月02日 10:13

更新済 2022年05月02日 12:45

[キーウ/ベジメンネ(ウクライナ) 1日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は、1日に南東部マリウポリのロシア軍に包囲されているアゾフスターリ製鉄所から約100人の民間人が退避したと明らかにした。国連は退避作業が進められていると確認していた。

大統領はビデオ演説で「この地で初めて2日間の停戦が実現し、女性や子ども100人以上の民間人を連れ出すことができた」と表明。この第1陣は2日午前にウクライナが支配するザポロジエに到着する予定だと明らかにした上で、より多くの人々が避難できる状況が続くことを望むと付け加えた。

民間人は、国連とロシア軍の車両とともにバスでマリウポリの東約30キロにある親ロシア派支配地域の村ベジメンネに到着。そこでは水色のテントが並んでいる。

避難者の1人、ナタリア・ウスマノワさん(37)は、ロシアの爆弾が製鉄所に降り注ぎ、コンクリートの粉塵が飛び散る中、心臓が止まるかと思うほどの恐怖を感じたと証言。ロイターに対し「地下壕が揺れ始めた時はヒステリックになった。それは夫が証明できる。地下壕が崩れるのではないかと心配でたまらなかった」と語った。

アゾフスターリ製鉄所からテレビ出演したウクライナ軍当局者は、約20人の子どもを含む数百人の民間人が地下壕に残っており、同規模の避難活動が1、2回追加で必要になると述べた。

また、米国のペロシ下院議長はウクライナの首都キーウ(キエフ)を電撃訪問し、ゼレンスキー大統領と会談。「勝利が得られるまで」ウクライナに対する米国の支援を継続すると約束した。

ゼレンスキー氏が1日にツイッター投稿した映像には、武装した護衛に囲まれ、軍服を着た同氏が、前日に大統領府の外でペロシ氏率いる米議会代表団にあいさつしている様子が映っていた。

ペロシ氏は1日、ポーランドで記者会見し「北大西洋条約機構(NATO)の同盟国とともにウクライナを支援する」と述べた。