G7首脳、ウクライナ支援を確約 ロシアは商業施設砲撃

Reuters

発行済 2022年06月28日 04:42

更新済 2022年06月28日 09:55

[クレメンチュク(ウクライナ) 27日 ロイター] - 主要7カ国(G7)がドイツで開催中の首脳会議でウクライナ支援を確約する中、ロシアは27日もウクライナに対する攻撃を継続し、中部ポルタワ州では商業施設への砲撃で少なくとも16人が死亡した。

G7首脳は27日、対ロシア制裁を強化し、ウクライナに対する安全保障を支持することで「必要な限り」ウクライナを支援すると確約する声明を発表。「財政、人道、軍事、外交的支援を継続し、必要な限りウクライナを支持する」とし、ウクライナの緊急の軍事ニーズに対応するための取り組みを引き続き調整し、持続的な安全保障の確約を巡り国や機関と協力するとした。

G7はドイツ南部で開催している首脳会議の2日目に声明を発表。この日はウクライナのゼレンスキー大統領がオンライン方式で出席し、戦争を冬が始まる前の年内に終結させたいと述べていた。

米国はウクライナに対し長距離防空システムを含む兵器を供与する計画を取りまとめていると明らかにした。

<商業施設にミサイル攻撃>

ロシア軍はウクライナ東部ルガンスク州の要衝セベロドネツクを陥落させた後、ドネツ川を挟んで対岸に位置する都市リシチャンスクに対する攻勢を強めているが、この日は中部ポルタワ州のクレメンチュクにある商業施設を攻撃。ミサイル2発が撃ち込まれ、少なくとも16人が死亡、59人が負傷した。

攻撃があった際、施設内には1000人以上がいたとされており、現場では消防と軍隊による生存者の捜索・救助活動が続けられている。

ゼレンスキー大統領は「偶然着弾したのではなく、このショッピングセンターを狙った計算された攻撃だ」と述べ、施設内には女性や子どももいたと指摘。死者はさらに増える可能性があるとした。

ポルタワ州のルニン知事は、大規模な火災が発生し、激しく煙が上がっていたため、多くの生存者を救出できない恐れがあると指摘。ロシア軍が標的とするような軍事施設は付近にないことから、今回の攻撃は「民間人を標的としたテロ行為だ」と非難した。

クレメンチュクはドニエプル川沿いの工業都市で、2月24日のロシアによる侵攻開始前の人口は21万7000人。ウクライナ最大の石油精製施設がある。

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クレメンチュクの攻撃についてロシアはこれまでのところコメントしていない。

国連安全保障理事会はウクライナの要請で28日に会合を開く。ドゥジャリク報道官はクレメンチュクの攻撃を「残虐」と非難した。

G7首脳も共同声明で「われわれはウクライナと団結し、この残忍な攻撃の罪のない犠牲者を悼む」とし、「ロシアのプーチン大統領と加担した者の責任を問う」と表明した。

このほか、ロシア軍は北東部ハリコフ市も攻撃。ハリコフ州知事によると、砲撃で民間人5人が死亡、22人が負傷した。負傷者には子ども5人が含まれるという。

東部ルガンスク州のガイダイ知事は、リシチャンスクへのミサイル攻撃で8人が死亡、21人が負傷したと明らかにした。

ロシアでは同国軍が既にリシチャンスク市内に入ったとの報道があるが、ロイターは事実か確認できていない。