トランプ氏「議会向かえ」と要求、警護隊ともみ合い=下院委公聴会

Reuters

発行済 2022年06月29日 08:07

更新済 2022年06月29日 18:01

[ワシントン 28日 ロイター] - 米連邦議会襲撃事件が起きた昨年1月6日に、トランプ前大統領が支持者と共に議事堂に向かうのを大統領警護隊(シークレットサービス)に拒否され、専用車の中でハンドルをつかもうとしていたことが分かった。

下院特別委員会の公聴会でメドウズ前大統領首席補佐官の側近だったキャシディ・ハチンソン氏が28日証言した。

ハチンソン氏によると、トランプ氏は事件当日の朝、ホワイトハウス前で行う集会に参加する支持者の一部がAR15型ライフルを携帯しているとの情報について「私に危害を加えるために来たのではない」と一蹴し、会場から探知器を撤去するよう求めた。

この会話はトランプ氏の次席補佐官(オペレーション担当)だったシークレットサービス幹部トニー・オルナート氏から知らされたという。

また、支持者と共に議事堂に向かわずにホワイトハウスに戻るよう大統領警護隊に助言されると「私は大統領だ。今すぐ議事堂に向かえ」と激高し、後部座席からハンドルをつかもうとしてもみ合いになったという。

米紙ニューヨーク・タイムズと米NBCは関係筋の話として、シークレットサービスのトップだったロバート・エンゲル氏と事件当日の専用車の運転手が、トランプ氏がハンドルをつかもうとした事実はないと証言する構えだと報じた。ハチンソン氏によると、オルナート氏から当日の話を聞いた際にエンゲル氏は同室にいた。

トランプ氏は自身が立ち上げたSNS(交流サイト)「トゥルース・ソーシャル」で、議事堂に向かうためハンドルをつかもうとしたという証言は「虚偽」だとして否定した。

報道によると、シークレットサービスは声明文を出し、下院委員会に協力しており、公聴会で明らかになった新たな証言について同委員会に回答するとした。ロイターはシークレットサービスにコメントを求めたが、回答はない。