ロシア、爆殺は「ウクライナの犯行」と主張 反体制派が犯行声明か

Reuters

発行済 2022年08月23日 00:42

更新済 2022年08月23日 10:55

[22日 ロイター] - ロシア連邦保安局(FSB)は22日、ロシアの国家主義思想家アレクサンドル・ドゥーギン氏の娘ダリア氏が週末に自動車爆発で死亡した事件の実行犯を特定したとし、ウクライナのシークレットサービスによる犯行と非難した。

ダリア氏は20日、モスクワ郊外で運転していた車が爆発し、死亡した。爆発したのは父ドゥーギン氏の車で、ロシアによるウクライナ併合を提唱してきた同氏が標的だった可能性があるという。ウクライナは関与を否定している。

FSBは攻撃の実行犯を1979年生まれのウクライナ人の女と特定したと発表。ウクライナ治安当局と関連があり、ロシアがテロリスト組織に指定している「アゾフ連隊」のメンバーだとした。

一方、アゾフ連隊はこの人物が隊員であった事実はないとし、ロシアのでっち上げだと非難した。

また、FSBはこの女が7月にロシアに入国し、ダリア氏と同じ建物のアパートを借りて攻撃の準備をしていたと主張。事件当日の20日夜にはダリア氏とドゥーギン氏が出席したモスクワ郊外のイベントに参加し、事件後に車でエストニアに出国したという。

ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は、こうしたロシア側の主張を「プロパガンダ」だと呼び、改めて関与を否定。ロシアの情報機関内部の対立によるという考えを示した。

タス通信によると、ロシア当局は女が出国したとみられるエストニアに身柄引き渡しを求めているが、エストニア当局は出入国者に関する情報は法律の規定により共有できるとし、FSBの要請はその要件に当たらないとした。