中国共産党、習総書記3期目続投を決定 最高指導部「習派」一色に

Reuters

発行済 2022年10月23日 13:42

更新済 2022年10月24日 08:27

[北京 23日 ロイター] - 中国共産党は23日に開いた第20期中央委員会第1回総会(1中総会)で習近平総書記(国家主席、69)の異例の3期目続投を正式決定した。最高指導部の政治局常務委員会は7人体制を維持した。

国営メディアによると、常務委員に選出されたのは、習氏のほか、李強(新任)、趙楽際(再任)、王滬寧(再任)、蔡奇(新任)、丁薛祥(新任)、李希(新任)の各氏。いずれも習氏に忠実とみられており、同氏は毛沢東以来最も強力な指導者としての地位を確固たるものにした。

上海市党委書記の李強氏(63)は習氏に次ぐ党内序列2位で、来年3月に退任する李克強首相の後任となる可能性が高い。

習氏はまた、中央軍事委員会主席にも再任された。

米シンクタンク、ジェームズタウン財団のウィリー・ラム上級フェローは「1つの派閥の異常なまでの一方的な勝利は、共産党の伝統から見て珍しい。チェック・アンド・バランスがなくなることを意味しており、習氏は党政治局や中央委員会をも完全に掌握している」と述べた。

RBCキャピタル・マーケッツ(シンガポール)のアジアFX戦略責任者、アルビン・タン氏は「政策決定という点では、習氏自身の意見がより尊重され、『ゼロコロナ』政策がより定着し、『共同富裕』などをさらに推し進めることになると想像できる」と語った。

7人の常務委員を含む24人の政治局員も発表された。

豪ローウィー研究所のリチャード・マグレガー東アジア上級研究員は今回の人事について、習氏の明確な勝利だと指摘。「同氏の政敵は実在、潜在を含め全員が政治局常務委員会から排除され、代わりに習氏に忠実な人物らが選ばれた。新体制は党に対する習氏の支配的地位を強く示すものだ」と述べた。

だが、中国経済が減速し、ゼロコロナ政策への不満が高まる中、習氏は厳しい試練に直面している。ロシアのプーチン大統領への支持や台湾との緊張の高まりを受け、西側との関係も悪化している。

ロシア大統領府によると、プーチン大統領は習氏に祝辞を送り、両国の「包括的なパートナーシップ」の発展に期待を表明。「党大会の結果はあなたの高い政治的権威と、あなたが率いる党の結束を完全に裏付けるものだ」と伝えたという。

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北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)によると、金正恩朝鮮労働党総書記も習氏に祝電を送った。