イスラエル、ガザ地上攻撃準備 バイデン氏は支援強調

Reuters

発行済 2023年10月11日 09:46

更新済 2023年10月11日 16:09

Dan Williams Nidal al-Mughrabi Nandita Bose

[エルサレム/ガザ/ワシントン 11日 ロイター] - イスラエルはイスラム組織ハマスによる攻撃を受け、地上攻撃を準備している。一方、バイデン米大統領はイスラエル支援を強調し、この状況を利用しようと考えている国や組織に警告した。

イスラエルは10日、パレスチナ自治区ガザに過去最大規模の空爆を行い、ガザ地区との境界を掌握したと発表した。

ガザの保健省は、イスラエルの空爆により10日までに少なくとも950人が死亡、5000人が負傷したと発表した。

イスラエル軍は同国側の死者が1200人に達し、2700人以上が負傷したと明らかにした。

イスラエル軍兵士と市民を人質に取っているハマスは9日、ガザの家1軒が攻撃されるごとに人質1人を予告なしに処刑するとしていたが、10日夜になっても実行に移された形跡は見られていない。

イスラエルのガラント国防相は、ガザのフェンス付近で兵士らを前に「われわれは空から攻撃を開始した。地上からも行うだろう。2日目からこの地域を制圧し、攻勢をかけている。攻勢は強まるばかりだ」と述べた。

イスラエル地元紙によると、パレスチナ自治区ガザからイスラエル領内に侵入した少なくとも1000人の武装勢力が殺害された。

関係筋によると、イスラエルの北部国境では、レバノン南部からイスラエルに向けてロケット弾が発射され、イスラエルが砲撃で応戦した。

また、シリア領土から発射された砲弾がイスラエルの空き地に着弾し、イスラエルが応戦したという。戦火が拡大するとの懸念がさらに強まっている。

<バイデン氏「抑止力強化」>

バイデン氏はハマスの攻撃について「悪の行動だ」と断じた。空母打撃群と戦闘機の移動など「抑止力を強化するため、この地域における軍事力態勢を整えた」と述べ、必要に応じてさらに展開する準備があると強調した。

米国務省は、ブリンケン国務長官が12日にイスラエルを訪問し、同国の政府高官らと会談する予定と発表した。

米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)はガザ市民の安全確保についてイスラエルやエジプトと協議していると述べた。

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イスラエルのネタニヤフ連立政権は、主要野党幹部らと緊急の挙国一致政府を樹立することで合意した。  

<ガザの住宅や学校が被害>

ターク国連人権高等弁務官は、イスラエル軍の空爆によりガザ全域で住宅や学校、国連の建物が被害を受け、民間人に犠牲者が出ていると指摘。「国際人道法は明確だ。民間人や民間物を避けるために常に注意を払うという義務は、攻撃を通じて適用される」とした。

同時に「パレスチナ武装組織のメンバーによる恐ろしい大量殺害」を非難し、武装勢力による人質拉致も国際法で禁止されていると述べた。