石川県で最大震度7、能登地方に大津波警報 原発に異常なし

Reuters

発行済 2024年01月01日 16:27

更新済 2024年01月01日 19:54

Shiho Tanaka Nobuhiro Kubo

[東京 1日 ロイター] - 気象庁によると、1日午後4時ごろから北陸地方で強い揺れが相次ぎ、石川県能登地方で最大震度7の地震を観測した。2011年3月の東日本大震災以来となる大津波警報が能登地方に発表され、NHKによるとこれまでに輪島市で1.2メートル超の津波を確認した。域内の原子力発電所で異常は確認されていない。

気象庁によると、最大震度は午後4時10分に能登地方で観測した7で、地震の規模を示すマグニチュードは7.6と推定されている。その後も震度5以上の揺れが複数回発生しており、気象庁は今後1週間は最大震度7程度の地震が発生する可能性があるとしている。

気象庁は日本海側沿岸に広く津波警報、注意報を発表。大津波警報が出た能登は、津波の高さが最大5メートルに達する可能性がある。NHKによると、富山県富山市では80センチ、新潟県柏崎市では40センチ、石川県金沢港で40センチ、新潟港で30センチの津波が観測された。

会見した林芳正官房長官は、石川県で建物の倒壊などによる生き埋めが6件発生し、輪島市内で火災が発生したことを明らかにした。志賀原発で変圧器の火災が発生したものの、消火済みだという。

林官房長官によると、午後6時までに石川県などで停電が約3万3000戸で発生。石川県、新潟県では携帯電話サービスにも支障が出ている。交通機関、高速道路は5路線7区間で通行止めが発生し、上越新幹線、北陸新幹線の一部で運転を見合わせている。能登空港では滑走路を閉鎖している。

林長官は、石川県庁に古賀篤内閣府副大臣をヘッドとする内閣府調査チームを派遣したと表明し、「被害状況の把握を進め、自治体と緊密に連携を図りながら、警察、消防、自衛隊、海上保安庁を中心に、救命、救助活動を最優先に、災害応急対策に全力で取り組む」と述べた。

石川県の馳浩知事は自衛隊に災害派遣を要請した。派遣要請に先立ち木原稔防衛相は1000名の派遣準備があるとしていた。木原防衛相は「陸海空の航空機20機が情報収集活動を実施中」であることも明らかにした。