中国、イランにフーシ派の船舶攻撃抑制求める 通商関係てこに

Reuters

発行済 2024年01月26日 11:21

更新済 2024年01月26日 12:11

Parisa Hafezi Andrew Hayley

[ドバイ 26日 ロイター] - 中国政府がイランに対し、イエメンの親イラン武装組織フーシ派による紅海での船舶攻撃を抑制するよう要請したことが分かった。抑制しなければ中国との通商関係が損なわれる恐れがあると言及したという。事情に詳しいイラン関係筋や外交筋が明らかにした。

中国とイランはフーシ派の攻撃や両国間の通商を巡り北京とテヘランで最近行った会合で協議した。

協議について説明を受けたイラン当局者によると、中国は自国の利益が損なわれればイランとの通商が影響を受けるとし、フーシ派に自制を指示するようイラン側に求めた。

ただ、イランとの通商関係がどのように影響を受けるかについて具体的な発言や警告はなかったという。

貿易情報会社Kplerのタンカー追跡データによると、昨年のイラン原油輸出の9割以上が中国の石油精製会社向けだった。一方、中国の原油輸入に占めるイラン産の割合は1割に過ぎず、中国には代替調達先が多数ある。

イラン関係筋によると、中国は自国に関連する船舶が攻撃されたり、中国の利益が何らかの形で影響を受ければイランに大きく失望するとの立場を明確にした。

一方、イランは中国を重視しつつも、フーシ派以外にもパレスチナ自治区ガザやレバノン、シリア、イラクに親イラン組織が存在し、地域における同盟関係や優先事項が意思決定で大きな役割を果たしているという。

事情に詳しい外交筋は、中国がこの問題を巡りイランと協議してきたものの、イラン側が助言をどの程度真剣に受け止めているかは不明とした。