イスラエル、ガザ支援物資の搬入増加と主張 国連は反論

Reuters

発行済 2024年04月10日 17:17

Gabrielle Tétrault-Farber James Mackenzie

[ジュネーブ/エルサレム 9日 ロイター] - イスラエル政府はパレスチナ自治区ガザに支援物資を搬入するトラックの数が急ピッチに増えていると表明した。一方、国連は人道上、必要最低限のニーズが依然満たされていないと主張している。

イスラエル政府によると、9日にガザに支援物資を搬入したトラックは468台で、紛争勃発以降で最高となった。8日は419台だった。

ただ、赤新月社や国連は、ガザに入ったトラックはイスラエル政府の発表より大幅に少ないと指摘。国連によると、イスラエルの検査規則により、多くのトラックは積載量の半分しか荷物を積んでいない。

国連の人道問題調整事務所(OCHA)は、イスラエルがガザ域内で支援物資の配布を厳しく制限していると批判。イスラエルは先月、ガザ北部への物資輸送の半分しか許可しなったという。

OCHAの報道官は「ガザ北部では住民の70%が飢餓状態にあり、特に北部に食料を輸送する必要があるが、こうした食糧輸送は他の人道物資輸送の3倍の確率で認められないことが多い」とし、支援物資を搬入するトラックが増えても、実際に物資を配布するトラックの通行が制限されているとの認識を示した。

イスラエルの占領地政府活動調整官組織(COGAT)は、ガザへの人道支援物資搬入を妨害しているとの見方を否定。民間人への物資配布に制限はなく、国連が非効率なため、配布が遅れていると主張している。