以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家元・社長氏(ブログ「元投資顧問会社社長のチラシの裏」)が執筆したコメントです。
フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2017年5月9日8時に執筆
2006年に公開された映画、フラガール。
昭和40年代、炭鉱の閉鎖という危機的な状況を迎えていました炭鉱の町・福島県いわき市。
炭鉱で働く人々を中心に、当時の日本人にとってのあこがれであった『ハワイ』をイメージした観光施設を作ろうと、常磐ハワイアンセンター(現 スパリゾートハワイアンズ)が産声を上げました。
本日は、スパリゾートハワイアンズを運営する、常磐興産 (T:9675)を深掘り特集していきたいと思います。
■常磐興産 (T:9675)の会社情報
▽常磐興産 (T:9675)とは?
常磐興産 (T:9675)の事業は、スパリゾート・ハワイアンズ等のリゾート施設運営と、石炭の輸入などの燃料卸売の2本柱です。
元々は1884年に設立された磐城炭礦を祖とし、戦後のエネルギー転換制作に伴い、新規事業としてリゾート・レジャー事業に乗り出し、現在ではフラダンスだけでなくファイアーナイフダンスなど、特色のあるパフォーマンス等で観光客を呼び込んでいます。
2011年に東北地方の太平洋岸を襲った東日本大震災では経営に致命的な打撃を受けながらも、経営陣や従業員の熱意と創意工夫により業績はV字回復。
17年3月期は、スパリゾート・ハワイアンズでの日帰り・宿泊の両部門で利用者数が減少し最終的には減益となることが想定されていますが、18年3月期には、約7億円を投資し17年7月に日本一長い水の流れる滑り台を開設予定。
関東圏からの無料送迎などの施策も寄与し、営業利益は底を打ったと考えても良いかもしれません。
同社は、東日本大震災で大きな痛手を負った福島県の中でも、復興のシンボルとして期待されているといえる存在。
争力が低い多角化事業の整理を加速しており、今後はスパリゾート・ハワイアンズに経営資源を集中させていくことで、更なる業績の回復に期待したいところです。
▽常磐興産 (T:9675)の企業情報
市場:東証1部
貸借:貸借銘柄
業種:サービス
連結事業:観光38(16)、卸売52(0)、製造関連5(13)、運輸5(4)(2016.3)
本社所在地:〒972-8555 福島県いわき市常磐藤原町蕨平50
上場年月日:1949年5月
■常磐興産 (T:9675)の株主配当と株主優待情報
決算:3月末日
権利確定月:3月末日、9月末日
単元株数:100株
対象株主:毎年3月末日、9月末日現在の株主名簿に記載された、株式1単元(100株)以上を保有する株主を対象に年2回実施。
優待内容:(A)「スパリゾートハワイアンズ」無料入場券
(B)「ホテルハワイアンズ」・「ウイルポート」・「モノリスタワー」共通宿泊割引券
(C)「スパリゾートハワイアンズ」・「スパリゾートハワイアンズ・ゴルフコース」共通飲食割引券
(D)「スパリゾートハワイアンズ・ゴルフコース」施設利用割引券
所有株式数 :優待内容
100株以上:3月末、9月末に(A)3枚、(B)1枚、(C)1枚、(D)1枚を進呈。
500株以上:3月末、9月末に(A)4枚、(B)2枚、(C)2枚、(D)2枚を進呈。
1,000株以上:3月末、9月末に(A)6枚、(B)4枚、(C)4枚、(D)4枚を進呈。
10,000株以上:3月末、9月末に(A)8枚、(B)5枚、(C)5枚、(D)5枚を進呈。
※(B)は、1枚につき1泊1室定員数まで利用可
(C)は1枚につき10%割引
(D)は1枚につき4名まで利用可
また、3年以上継続して500株以上保有の株主には、
所有株式数:優待内容
500株以上:施設利用券5,000円相当分を進呈。
1,000株以上:施設利用券10,000円相当分を進呈。
10,000株以上:施設利用券30,000円相当分を進呈。
と、近年採用企業が増加している長期株主優待制度も設けています。
配当金:20円(100株で2,000円)17年3月期、18年3月期予想
配当利回り:1.15%
実質配当利回り(配当金+株主優待):13.21%
常磐興産 (T:9675)は、まずまずの配当金に加え、株主優待制度の充実には目をみはるものがあります。
さらに、長期株主優待制度を設けていることを考えると、配当+株主優待を目的とする投資対象としては非常に有望な銘柄といえますね。
■常磐興産 (T:9675)のファンダメンタルズ分析
▽常磐興産 (T:9675)の主要指標
予想PER:33.11
予想PBR:1.13
ROE:10%
期/売上高/営業利益/経常利益/純利益/1株利益/1株配当
連結14.3/54,429/2,137/1,696/1,504/16.91/20
連結15.3/49,461/1,855/1,424/1,509/17.18/20
連結16.3/35,767/1,822/1,519/1,348/15.35/20
連結17.3(予)/37,820/1,080/720/470/53.5/20
連結18.3(予)/38,500/1,300/1,000/700/79.7/20
※2017年5月9日時点、会社四季報参照
▽常磐興産 (T:9675)のネットネット指数
割安な銘柄を探し出す指数として使わるれこともあるネットネット指数。
常磐興産 (T:9675)のネットネット指数は、
-0.6(2017年5月8日終値で計算)
となっています。
現時点で主要指数を確認してみると、割安感が然程あるとは言えません。
むしろ、若干割高かな…という見方が強いのではないでしょうか。
ただし、18年3月期の予想業績は改善傾向にあり、経常利益、純利益共に17年3月期よりも大きく増加する見込みとなっています。
今後発表される短信などで確認は必要ですが、今後の業績に関しては新しいアトラクション施設の稼働などで順調に業績は回復してくる事が予想されますので、あまり悲観する数字ではないと言えます。
■常磐興産 (T:9675)のチャート分析
常磐興産 (T:9675)の現在株価は、1,773円(2017年5月8日終値)となっています。
▽日足で考える常磐興産 (T:9675)の短期売買シナリオ
日足チャートを見てみると、
・2016年11月11日の安値1,490円
・2017年4月17日の安値1,612円
を結んだラインが下値支持線になっています。
支持線や75日移動平均線からの乖離を考えると、短期での値幅狙いのトレード対象としては、今がタイミングでは無いといえます。
短期売買エントリーポイント:無し
▽週足で考える常磐興産 (T:9675)の中長期売買シナリオ
週足チャートを見ると、
・2016年6月20日の週の安値1,440円
・2016年11月7日の週の安値1,490円
を結んだラインが第1の下値支持線、
・2016年11月7日の週の安値1,490円
・2017年4月17日の週の安値1,612円
を結んだラインが第2の下値支持線となっています。
下値支持線が切り上がっていることに加え、月足を見てみると2013年3月の高値へ向けチャートは上向き傾向にあるといえます。
長期保有を前提としたトレードの場合には、1,700円近辺への押しを待ってエントリーしていきたいところです。
中長期売買エントリーポイント:1,700円近辺への押しを待ってエントリー(ロスカット基準はシビアに)
■常磐興産 (T:9675)の総合評価
※2017年5月8日段階
上記の様に常磐興産 (T:9675)を分析していくと、業績改善へ向けた施策は今後も揃っており、株主配当や株主優待狙いに加え、中長期的な視点で2,000円超えを狙っていく長期保有を前提としたトレード対象としては良い銘柄ではないでしょうか。
短期目線にとらわれず、押した所を拾っていくスタンスで臨みたいですね。
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執筆者名:元・社長
ブログ名:元投資顧問会社社長のチラシの裏
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