メディシス Research Memo(7):医薬品等ネットワーク事業の加盟件数増加ペースに拍車がかかる

Fisco

発行済 2017年06月13日 16:15

更新済 2017年06月13日 16:33

■今後の見通し

2. 事業セグメント別見通し
(1) 医薬品等ネットワーク事業
医薬品等ネットワーク事業の売上高は前期比5.0%増の3,397百万円、営業利益は同7.0%増の1,839百万円を見込む。
ネットワーク加盟件数は前期末比430件増の2,200件と過去最大の増加数を見込んでいる。
中小零細規模の調剤薬局は調剤報酬改定等の影響によって経営環境が厳しくなってきており、仕入コストの低減や在庫効率の向上に寄与するメディカルシステムネットワーク (T:4350)のサービスに加盟するメリットが従来以上に増してきていることが背景にある。
特に、最近は10~20店舗規模の中規模の薬局も加盟するケースが増えている。
同社はこうした市場環境を追い風に、加盟件数の拡大を更に拡大していく考えで、5年後には5,000店舗、業界シェアで約10%を目指していく考えだ。


2018年3月期の取組施策としては、「営業力の強化」と「エリア別戦略深耕」を掲げている。
「営業力の強化」では、社外パートナー企業との連携強化や調剤薬局向けセミナーの開催、新サービスの開発等に取り組んでいく。
また「エリア別戦略深耕」では各エリアの医薬品卸や薬剤師会との連携を進めていく。

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医薬品ネットワーク加盟件数は前期比24.3%増の2,200件を見込んでいるが、同事業の増収率が5.0%と低くなっているのは、手数料率の低い中規模クラスの新規加盟企業が増加傾向にあり、平均手数料率の低下傾向が続くと見ているためだ。
中期経営計画の目標値に対しても、同様の理由によって計画を引き下げている。
ただ、足元の需要は引き続き旺盛で、4月は約80店舗増加しており、加盟件数については計画を上回る可能性が高いと見られる。


(2) 調剤薬局事業
調剤薬局事業の売上高は前期比7.2%増の87,539百万円、営業利益は同27.2%増の2,943百万円を見込む。
店舗数については前期末比30店舗増(新規出店10店舗、M&A取得20店舗)の407店舗を計画しており、5月1日時点では383店舗となっている。


2018年3月期の重点施策としては、「かかりつけ機能の充実による処方箋枚数の増加」と「後発医薬品の切り替えから絞り込みへ」を挙げている。
同社では地域のかかりつけ薬局としての機能を果たすことが処方箋枚数の増加につながると考えている。
具体的な取り組みとしては、栄養士を1ブロックに1名配置し、栄養相談(高血圧、糖尿病等)を行ったり、OTC(大衆薬品)や健康食品等の商品ラインナップの拡充、ヨガを始めとした運動プログラムの定期開催、日本郵便との協業による在宅サービスの拡大などに取り組んでいく。
こうした取り組みによって、顧客数を増やしていくほか、1顧客当たりの処方箋枚数を拡大していく戦略となっている。


2018年3月期の既存店ベースの処方箋枚数は前期比1.5%増、技術料単価は調剤報酬改定への対応が進むことで同51円の上昇を想定している。
営業利益の増減益要因の内訳を見ると、増益要因としては既存店における処方箋枚数の増加で415百万円、薬剤料単価の上昇で36百万円、技術料単価の上昇で413百万円、2017年3月期及び2018年3月期の新規出店・M&Aで80百万円、その他で56百万円の増益要因となり、減益要因としては既存店における薬剤師等の労務費及び経費の増加で371百万円を見込んでいる。


(3) その他4事業
賃貸・設備関連事業、給食事業、治験施設支援事業※、訪問看護事業のその他4事業については、合計で売上高が前期比0.7%増の6,923百万円、営業損失が254百万円(前期は436百万円の損失)と損失縮小を見込んでいる。


このうち賃貸・設備関連事業については、売上高が前期比7.1%増の2,191百万円、営業損失は74百万円(前期は143百万円の損失)となる見通し。
「ウィステリア千里中央」については期末までに50戸(全82戸)の入居を目標としており、入居数の増加に伴い損失額も縮小する見込みだ。
また、新規プロジェクトとして札幌市内で3番目の「サ高住」案件となる「ウィステリア南1条(仮称)」(全106戸)については2018年11月に開業する予定となっている。
近隣に札幌医科大学があるほか、交通の利便性の良い立地条件であり、施設内には「6~7科」のクリニックや調剤薬局のほか、保育所も新たに入ることが決まっており、全世代の地域住民に対する「包括的なサポート体制」を構築していることが特徴で、地域包括ケアシステムのモデル拠点となる可能性がある。
既に、問合せも数多く入っており、開業後はスムーズに入居が進むと予想される。


給食事業の売上高は前期比4.0%減の4,479百万円、営業損失は46百万円(前期は129百万円の損失)となる見通し。
売上高については不採算案件の絞り込みを行うことで減収となるが、人員体制の適正化をすすめていくことで収益改善を進めていく。
2017年3月期第4四半期には既に黒字化していることから、今後、食材費の高騰など減益要因が発生しなければ、通期で黒字化する可能性がある。


治験施設支援事業※・訪問看護事業については、売上高が前期比53.9%増の252百万円、営業損失は133百万円(前期は163百万円の損失)となる見通し。
このうち訪問看護事業については、既存店が黒字化見込みとなっているものの、2017年夏頃に新たに1店舗開設し(人員は3名を予定)、世田谷区までサービスエリアを拡大する計画となっており、その立ち上げ負担で若干の損失を見込んでいる。
同事業では今後も都内でサービスエリアを拡大していく方針となっている。


※同社は、2017年5月19日付で(株)EP綜合との間で(株)エスエムオーメディシスの株式譲渡に関する基本合意書を締結している。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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