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イーストン Research Memo(6):従来からの強みに加え、STREALがキーテクノロジーとしてラインナップに

発行済 2019-01-11 15:46
更新済 2019-01-11 16:00
イーストン Research Memo(6):従来からの強みに加え、STREALがキーテクノロジーとしてラインナップに
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■中長期の成長に向けた重点取り組みと進捗状況

6. IoT/ADAS技術の取り組みとワンストップソリューションの強化の進捗状況
ワンストップソリューションの強化がルネサスイーストン (T:9995)にとって今後数年間の最重要課題だという状況は従来から変わっていない。
取扱商材の単品販売では年々高度化する顧客ニーズに応えられないということが理由の1つだ。
また単品販売では同社の付加価値を発揮できないため事業の売上総利益率の上昇に限界があるということもある。
さらにはIoTやADASといった先端領域に対応することは、半導体などのデバイスからソフトウェア、システムインテグレーションまでを一体化して提供する(できる)ことと同義といえる。
このようにどの角度から見てもワンストップソリューションというのは避けて通れないテーマとなっている。


同社はルネサスエレクトロニクス製品を筆頭に日立グループ製品やCSB製品など多数の商材を取り扱っているだけでなく、セキュリティを含めたソフトウェア技術や、新技術や新潮流に関する情報なども保有している。
これらを顧客ニーズに合わせて組み合わせてモジュール化、システム化することが、売上拡大と付加価値創造による高収益実現へとつながると期待される。


今後はさらに有力な製品が加わる予定だ。
同社が日立グループから導入し、自社で製品化を進めるSTREALだ。
詳細は後述するが、2020年3月期からの商品化に向けて順調に進捗しており、同社のワンストップソリューション能力の一段の拡大に貢献することが期待される。



STREALの開発と生産体制を確立し、2020年3月期からの量産化を計画。
利益水準が大きく変わる可能性
7. STREALの開発状況と今後の見通し
同社は2018年2月27日付リリースで、高感度の半導体ひずみセンサー“STREAL”を活用した新規事業を2018年4月より開始することを発表した。


同社のSTREALは、元は日立製作所が開発したもので、1)超小型、2)高精度、3)常時計測、という3つの特長を有している。
サイズについては2.5mm角の中にセンサー素子、制御回路、アンプ回路、A/Dコンバーターが集積されている。
現状、これと同様のものは大型辞書や百科事典並みのサイズがあり、差は歴然としている。
性能的には、1kmの物体が1mm伸縮するひずみ量を計測できる超高精度を実現しており、物理変化に応じたモジュール形状を使うことで、加重、圧力、トルク、張力、せん断力、低周波振動など幅広い物理的変化を計測可能となっている。
常時計測という特長は低消費電力という特性によって実現されている。
常時計測はセンサーに期待される役割を考えれば極めて重要な要素だが、現実的には電源供給がネックとなるケースも多い。
このセンサーはその課題を克服している。
こうした高性能が評価されて、日本政府が主宰する第7回「ものづくり日本大賞」(2018年1月15日発表)において内閣総理大臣賞を受賞した。
機械、医療、建築分野などをIoT化できる技術として期待が高まっている。


同社はこのSTREALの製造・販売権を日立製作所から取得し、製品化を目指している。
そこでのポイントは2つある。
1つは製造についてで、同社はファブレスメーカーとして、メーカー機能を果たすということだ。
もう1つは販売方法(あるいは製品形態)において、このセンサーを半導体チップとして販売するのではなく、モジュール化、コンポーネント化して販売する方針であることだ。
最終的にはソリューション提案(一例としては、半導体センサーというモノを売るのではなく、それを利用した監視サービスの提供などが想定できる)を目指している。


これまでに具体的な進捗がいくつか見られた。
まず同社は半導体ひずみセンサーについて「STREAL」(ストリアル)のブランドで事業展開することを決定した。
次に製品形態・販売方法については、STREALのチップとFPC(フレキシブル配線板)やコネクターを組み合わせたモジュール化について量産技術をほぼ確立した。
また生産面でもモジュールの製造委託先の選定を終了し、同社がファブレスではあるが“メーカー”として機能する体制が整った状況にある。


実際のビジネスとしては、2020年3月期から本格的に開始する見通しだ。
販売初年度の2020年3月期は期中からの発売であることと、様々な分野からの問い合わせ・引合いは多いものの、同社にとってメーカーとしての初めての挑戦となることから分野や用途を見定めたスタートを切ると考えられるため、収益貢献もまた限定的なものになるとみられる。
しかし同社は、モジュールの商品化と並行して製品開発をさらに進め、測定精度を一段と高度化するほか、同社自身の加工度合いもモジュールからコンポーネントに1段階引き上げる計画だ。
コンポーネント化することで同社が創造する付加価値がさらに高まり、販売価格や利益率もそれだけ上昇することが期待される。
2021年3月期にはモジュール品に加えてコンポーネント品の販売が開始され、同社のSTREALは本格的に収益貢献してくることが期待される。


具体的な収益寄与度についてはまだ明らかにされていないが、販売初年度の2020年3月期こそ売上高は数億円規模にとどまると想定されるが、本格的に立ち上がる2021年3月期から10億円の大台に乗ってくるというイメージを弊社では描いている。
注目は利益率で、STREALでは同社がメーカーとして機能することになり、またSTREALの有する独自性や新規性に照らして、非常に高い利益率が期待できると考えられる。
また、STREALはコンシューマー品ではないため販管費は低く抑えられ、営業利益率は売上総利益率に近いものとなることが期待される。
同社の現在の営業利益率は典型的な商社ビジネスの水準である1ケタ台前半にとどまっているが、STREALについては2ケタの営業利益率は当然に期待され、業容が拡大して売上構成比が拡大してくれば全社ベースの営業利益率や利益額も、明確に変化が表れてくると考えられる。


同社のSTREALは、似たような機能を持つ製品は存在するがサイズなど前述の3つの特長において大きな差があり、実質的に競合品がない状況だ。
事業の成否は同社自身の生産体制やマーケティング力に依存する部分が大きい。
前述のように生産体制は目途が立っており、ET展への出展やコンセプトムービーなどの広報活動が功を奏し、様々な分野の企業から注目されている。
今後は同社がどの市場にどのような形で販売していくかが注目点だ。
2019年春以降の事業の立ち上がりを見守りたい。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

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