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ハウスドゥ Research Memo(4):高齢社会の問題に対するリューションビジネスを積極推進

発行済 2019-03-08 15:14
更新済 2019-03-08 15:21
© Reuters.  ハウスドゥ Research Memo(4):高齢社会の問題に対するリューションビジネスを積極推進

■事業概要2. 高齢者の資金需要に対応する「不動産+金融」サービス高齢者は、住宅という資産を所有しているものの、収入と支出が低水準にとどまっている。

高齢者の持家率は、60代が93.3%、70代以上も94.8%と極めて高い(総務省統計局「家計調査2017年」より)。

一方、世帯主の年齢階級別の2017年の年間所得は、30代が595万円、40代が708万円、50代が778万円であるに比べ、60代が558万円、70歳以上が394万円と低くなる。

所得水準を反映して、年齢階級別の1ヶ月当たり消費支出は、30代が238千円、40代が286千円、50代の304千円が高く、60代が253千円、70歳以上が200千円へ低下する。

このような状況の中、ハウスドゥ (T:3457)は、不動産ストックの流動化により資産を資金化することで資金を市場に還流させ、経済活性化の一翼を担うことを目的として、高齢者の資金需要に対応する「不動産+金融」サービスを開始した。

これにより、高齢者は、自宅に住みながら老後の生活資金を得るため、資金面で老後のQOLを向上させることができる。

一方で、日本は、2018年の年間死亡数が136万人以上に上り、多死社会を迎えている。

団塊世代が80歳以上になる2030年には160万人を超える見通しだ。

相続でもめる遺産規模の割合は、1,000万円以上5,000万円未満の43.0%、1,000万円未満の31.9%を合わせて4分の3を占め、資産規模が小さい方が圧倒的に多い。

主な遺産が自宅である場合、分割が困難な不動産を複数人が相続することになるため、トラブルの原因となりやすい。

ハウス・リースバックにより資産を資金化してあれば、相続での争いを緩和しやすくなる。

これに対して同社は、幅広い商品のラインナップにより多様な顧客ニーズに応える。

2013年10月より、自宅を売却後も住み続けられる「ハウス・リースバック」サービスを開始し、2016年6月より、一時的な資金ニーズはあるものの、自宅を売却するほどの金額を必要としない人向けに「不動産担保ローン」を開始した。

さらに2017年10月より、地域の金融機関と提携して自宅を担保に融資を受ける「リバースモーゲージ」の保証事業をスタートさせた。

日本は、少子化や核家族化、高齢化などにより、65歳以上の1人暮らし高齢者は増加傾向にあり、2015年時点で600万人を超えた。

同社は、「ハウス・リースバック」利用者で65歳以上の単身者を対象に、家族に代わって毎日電話をかける「安心コールサービス」を行っている。

さらに、2017年11月より定期訪問サービス「みまもりDo!」の提供を開始した。

無料訪問サービスの内容は、1)30分程度の対話/コミュニケーション、2)身の回りのお手伝いサービス、3)必要品などのお届けサービスである。

お手伝いサービスは、家具や家電製品の移動・組立、風呂掃除、洗濯物干しなどの軽作業や、病院同行、各種申請などの同行など1時間程度でできるものを含む。

訪問頻度は、65歳から74歳までが2ヶ月に1度、75歳以上は毎月となる。

3. ハウス・リースバック事業ハウス・リースバックは、住宅を買い取り、売主とリース(賃貸)契約を結ぶスキームになる。

持ち主は自宅を売却して資金を得た後も、愛着のある住居や地域で住み続けられる。

資金の使途、年齢、収入、対象者、対象物件に制限がない上、住居の賃貸契約に保証人も不要である。

同社は、不動産の査定や不動産売買、金融サービスのノウハウを持っていることから、ハウス・リースバックに必要な機能を自社の経営リソースでカバーできるのが強みになる。

「ハウス・リースバック」の商標登録は、2013年に出願し、2015年7月に取得した。

ハウス・リースバックについての問い合わせは、2018年6月期に1年間で9,255件に上った。

2019年6月期第2四半期の件数は5,832件と前年同期比58.0%増加した。

社会的ニーズは極めて高い。

同事業で、圧倒的ナンバーワンの座を獲得している。

ハウス・リースバック事業は、買取時の事務手数料、毎月の家賃収入、売却時のキャピタルゲインと3種類の収益機会がある。

物件は顧客から直接取得し、仕入額の約3%が買取時の事務手数料となる。

取得翌月からは毎月家賃としてインカムゲインが発生し、年間で仕入額の約8%程度がリターンとして入る。

売却時には、諸費用及び手数料別途で仕入額の15%程度のキャピタルゲインが発生する。

2019年6月期第2四半期のハウス・リースバック事業は、売上高が前年同期比286.9%増の3,969百万円となった。

内訳は、保有物件からの賃料収入が403百万円(前年同期比11.3%増)、事務手数料等が158百万円(同88.1%増)、売却売上高が3,262百万円(同476.3%増)であった。

同第2四半期の契約件数は前年同期比47.2%増の283件、物件取得件数が同46.3%増の266件となった。

期中の売却は160件であり、同第2四半期末の保有物件は前期末比20.6%増の674件、取得時価格では同14.0%増の9,487百万円となった。

中長期的に収益を生む優良資産であるが、資金が長期的に固定化されてしまう。

問い合わせが年間1万件に達しようとするなど社会的ニーズが極めて大きい。

4. 不動産金融事業:不動産担保ローンとリバースモーゲージ保証事業不動産金融事業の2019年6月期第2四半期の売上高は前年同期比113.0%増の436百万円、営業利益は同92.8%増の96百万円と成長が著しい。

(1) 不動産担保ローン顧客によっては、一時的な資金ニーズはあるものの、自宅を売却するほどの金額を必要としていない人がいる。

そういう顧客には、不動産担保融資を提供する。

融資の金利及び事務手数料などは、同業他社と大差がない。

同社のメインビジネスが不動産売買の仲介業であり、不動産価格の査定に関しては質量ともに他社を凌駕する。

査定のスピードも速い。

2019年6月期第2四半期末の不動産担保融資残高は、前期末比13.8%増の6,359百万円となった。

貸金業者数は、1986年のピーク時には47,504社あったが、2013年には2,217社とピーク比20分の1以下に減少した。

消費者金融は、1990年代に多重債務者の増加が社会問題となり、2006年には最高裁が、グレーゾーン金利を原則無効とした判決を出した。

また、中小企業向けの商工ローンにおいては、威圧的な取立てを規制し、違反業者を業務停止処分にした。

廃業や業界再編により貸金業者が激減しており、貸金業法対象の貸金業者には総量規制がかかっている。

同事業に対する潜在需要は大きい。

同事業を行う子会社のフィナンシャルドゥは、2018年10月、融資先が破産開始決定を受けたことで、融資額766百万円を破産更生債権等に振り替えた。

ただし、同12月には、元金、利息、遅延損害金を合わせた全額818百万円を回収した。

金融業であるから、返済遅延は起こり得る。

同件において、不動産担保ローン事業者として、担保評価と回収能力などの事業運営能力が改めて明らかとなった。

(2) リバースモーゲージ保証事業リバースモーゲージは、自宅を担保として融資を受けることができる金融商品の1つである。

自宅は所有しているが、現金収入が少ないという高齢者向けの資金調達手段として、1981年に導入された。

これまで、資金の出し手となる金融機関が限定されており、本格普及に至っていない。

同商品は、不動産価格の下落、金利上昇、長命化などのリスクがあるが、同社子会社がリスクを負担することで同商品を活性化させる。

同社子会社は、利用者が金融機関に支払う利息の一部を保証料として受け取ることになる。

リバースモーゲージ保証事業には、同社グループがこれまで培ったノウハウを生かせる。

金融機関は、不動産価格の査定に公示価格や路線価を使用する。

また、不動産売買を本業としていないため、物件処分時には低価格で売り急ぐ傾向がある。

一方、同社は不動産売買におけるノウハウを持っており、全国500店舗を超える加盟店チェーンを擁しているため、市場取引価格に基づいた査定が可能である。

通常、不動産売買で債権処理が発生した場合、不動産販売などに20~25%の中間マージンが発生するが、同社にとっては直接販売となるため不要である。

このため、リバースモーゲージ保証事業業務では、安全性を考慮しても不動産評価額を金融機関自身が行うよりも融資枠も大きく提供することができる。

これは、リバースモーゲージの利用客が、同社子会社がリバースモーゲージ保証として提供する商品と契約を結ぶ動機付けとなる。

なお、保証業務には物件購入などの資金が不要のため、ハウス・リースバック事業の次の柱と位置付けている。

同社は地方銀行や信用金庫などの地域金融機関と提携して、サービスエリアを広げている。

2017年10月に大阪信用金庫(大阪市天王寺区)との提携により「リバースモーゲージ保証事業」を開始した。

同信用金庫が提供するリバースモーゲージ「悠々自適」の担保評価と保証を行う。

金融機関との提携は、2018年4月に大阪商工信用金庫(大阪市中央区)、6月に飯能信用金庫(埼玉県飯能市)、10月に知多信用金庫(愛知県半田市)並びに大光銀行 (T:8537)(新潟県長岡市)と行い、関西に加え、関東、東海、北陸地方にサービスエリアを拡大した。

今後人員を増強して、更なる拡大を図る。

5. 不動産売買事業首都圏の不動産市況には、局所的に過熱感が現れたことから、一時、安全重視の姿勢を取った。

現在は、注意深く遂行する通常型に戻した。

物件仕入を厳選し、直営店仲介事業とのコラボレーションを強化し、在庫高より回転を重視して、商品在庫を50億~60億円程度に維持する。

2019年6月期は、現状維持の態勢を採っている。

6. 不動産流通事業直営店による不動産売買仲介に買取りやリフォームを組み合わせたり、契約機会をリフォーム・住宅ローン・火災保険などの関連ビジネスにつなげることで収益の維持・増大を図る。

これまでは、人員をフランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業のストック型収益事業にシフトさせていたが、若手が育ち、2018年6月期は仲介件数が3,081件と前期比8.3%増加し、同11.6%の増収、同28.0%の増益を果たした。

また、東証1部上場効果により、知名度やブランド力の向上も寄与した。

なお、2019年6月期は人員異動のため直営店を1店舗閉鎖しており、その分収益が縮小することが見込まれる。

7. リフォーム事業不動産売買事業、不動産流通事業及びハウス・リースバック事業と連携して、事業を運営している。

2019年6月期は、新築住宅の計画はゼロとし、リフォーム事業に絞り込むため、横ばいを見込んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

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