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ダイナック Research Memo(2):サントリーグループの外食産業の中核企業として発展

発行済 2019-03-08 15:32
更新済 2019-03-08 15:41
© Reuters.  ダイナック Research Memo(2):サントリーグループの外食産業の中核企業として発展
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■会社概要1. 沿革ダイナックホールディングス (T:2675)は1958年、(株)壽屋(現 サントリーホールディングス(株))、東京會舘 (T:9701)、(株)三和銀行(現(株)三菱UFJ銀行)などにより、飲食店の経営等を目的に「株式会社新宿東京会館」として設立された。

創業からしばらくは新宿の本館(現 京王フレンテ新宿三丁目)を中心に業容拡大を図った。

本館では結婚式場や各種宴会場、グリル、コーヒーショップ等複数の業態が営業され、現在の多業態展開の基礎は開業当初からあったと言える。

また、結婚式場や宴会場の運営は現在のケータリングビジネスにつながっている。

後述するように同社は受託ビジネスの拡大に注力しているが、この歴史も直営ビジネス同様に長い。

創業間もない時期から病院・区役所・学校等の食堂の運営を受託したほか、現在の受託ビジネスの中核であるゴルフクラブレストランについても、第1号案件として1961年に熊谷ゴルフクラブレストランの運営を受託した。

1975年に同社は東京赤坂のサントリービル内に5店舗を出店したが、これに象徴されるように同社とサントリー(株)(1963年に壽屋から商号変更)との関係は着実に深まっていた。

そのサントリーは、子会社に(株)サントリーレストランシステムを有していた。

サントリーレストランシステムは1963年、サントリー直営飲食店の統括管理及び経営指導を目的に、寿共栄(株)として大阪に設立された。

関西を拠点に直営バー・レストランの運営のほか、関西圏のゴルフクラブレストランの運営受託で業容を拡大させていた。

同社は1979年2月にサントリーの100%子会社となるが、以降は、サントリーグループにおける外食事業の中核企業としてのポジショニングを生かして、出店エリアの拡大(横浜、銀座、有楽町など)や新業態の開発(「ワインハウス」「ティキティキ」等)を加速させた。

その後1988年に、サントリーレストランシステムを吸収合併するとともに商号を「株式会社ダイナック」へと変更した。

両社はそれぞれ営業地盤が東京圏と関西圏に分かれていたため完全な補完関係が成立し、業容が一気に拡大した。

その後、和食の「燦」「響」やイタリアンの「パパミラノ」、パブの「ザ・ローズ&クラウン」など現在までの成長ドライバーの役割を果たす主力業態を次々とローンチしながら現在に至っている。

経営体制の面では、経営のスピードアップを図る狙いから2018年7月1日をもって持株会社体制に移行した。

それに伴い、商号も「株式会社ダイナックホールディングス」へと変更した。

実際の事業は同時に新設した100%子会社のダイナックが執り行っているが、更なる経営の効率化を目的に2019年4月1日をもって受託ビジネスをダイナックから切り離して新たにダイナックパートナーズを設立することが発表されている(詳細は“中長期の成長に向けた取組み”の項を参照)。

株式市場には、2000年10月に(株)大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場(現 大阪取引所JASDAQ)に株式を上場した。

その後2006年11月に東京証券取引所市場第2部に株式を上場した。

サントリーホールディングス(2009年にサントリーから商号変更)の持株比率は61.71%となっている。

バー・レストランの運営を、直営と受託の2つの収益モデルで展開2. 事業の概要同社の事業は外食事業という単一セグメントだが、直営ビジネスと受託ビジネスの2つの事業モデルで展開している。

(1) 直営ビジネス同社の直営ビジネスの特徴はいくつかあるが、多業態・多ブランド展開がまず特徴として挙げられる。

同社がこの戦略を採用するのは、消費者にアピールする「売り」がある業態・店舗が好調である一方、総花的な業態・店舗は低調であることが背景にあるとみられる。

同社は消費者の嗜好の変化や流行に敏感で、常に新業態・新ブランドの企画・開発・運営に余念がない。

既存店舗の新業態への業態変更についても積極的だ。

こうしたことが可能であるのは、上場企業として強固な財務基盤を有することや、155店(2018年12月末現在)という多数の店舗を擁していることにあると考えられ、同社の強みの1つともなっている。

第2は立地で、同社は都心部のオフィス街を中心に展開している点が特徴的だ。

東京においては千代田・港・中央・新宿などの各区に、大阪においては梅田周辺などに、それぞれ集中的に(地域ドミナント)出店している。

郊外型店舗も各地域の中核都市や拠点駅の周辺、大型商業施設などの地域一等地への出店が基本となっている。

店舗のコンセプトとして、個人事業主の店舗や大手居酒屋チェーンなどと比較して食事やサービスの質でワンランク上の高付加価値型を追求している。

またここ数年は“専門化”にも注力している。

「パパミラノ」からテーマを絞った複数の新型イタリアン業態への転換がその一例だ。

客層としては、立地からもわかるように都会のビジネスパーソンに代表される中間層を主たるターゲットにしている。

そこでの中心価格帯は4,000~5,000円となっている。

しかし多業態型の特徴を生かし、「響」では客単価を7,000~10,000円と設定して接待需要の取込みを図る一方、低価格帯の女性向けイタリアンや駅構内ハイボール・バーも展開するなど、幅広い顧客ニーズに柔軟に対応可能なラインナップとなっている。

なお、同社の直営ビジネスはバー・レストランの店舗運営が中核だが、ケータリング事業も直営ビジネスに含まれている。

これは、企業の各種パーティーや社内運動会などのイベント向けに、数十~数千人規模を対象に飲食を提供するものだ。

対応可能人数の大きさやイベントの企画・設営・運営まで一貫サービスを提供できるといった点で、同社のケータリング事業は業界でもトップクラスとみられる。

(2) 受託ビジネス受託ビジネスは収益性や出店コストなどで直営店舗の運営とは大きな違いがある。

受託事業では受託者(同社)側は運営だけを行い、施設は委託者(たとえばゴルフ場側)が用意する。

したがって同社からすれば設備投資負担がないというメリットがある。

営業が開始されれば、売上は受託者(同社)側に立ち、売上の中から契約で決められたフィーを委託者側に支払う。

収益性について直営と受託事業とでどちらが高いとは一概には言えないが、直営に比べて投資効率が良いと言うことは可能だろう。

同社の受託ビジネスの中身は、ゴルフクラブレストランとそれ以外の2つに大別できる。

ゴルフクラブレストランでは、運営事業所数で国内大手3社の一角を占める地位にあるとみられる。

一方それ以外の受託はリゾート施設や文化施設でのレストラン運営や、道の駅、高速道路のSA/PA等の管理・運営が中心となっている。

同社が受託ビジネスで成功している大きな要因として、既存店舗の評判と実績が新たな契約につながるポジティブスパイラル(正の循環)を実現できていることがあると弊社ではみている。

受託ビジネスは受託したレストランの母体施設の集客力に依存する部分も大きく、利益を出すためには高いマネジメント力やコストコントロール力が要求される事業と言える。

そうした厳しい制約のなかでもしっかりと収益を上げていることが委託者側からの信頼獲得につながり受託契約に至るという流れだ。

収益モデルが異なる直営ビジネスと受託ビジネスの2つで事業ポートフォリオを構成することで、選択肢の広い経営を実現3. ダイナックホールディングスの強み同社は多くの強みを有するが、筆頭に挙げられるべきは優良な事業ポートフォリオを有していることだ。

これは、直営ビジネスと受託ビジネスという2つのビジネスを単に有するだけでなく、前述のように、2つのビジネスがともに、それぞれの領域において高い競争力と存在感のある規模を確立しているということを意味している。

2つのビジネスは外食産業という点では共通しているが、事業モデルや市場構造などは大きく異なっているため、補完関係を構築して事業リスクに対するリスク許容度を高めることが可能となっている。

別な言い方をすれば、経営上の選択肢が広いということだ。

中期成長戦略の項で詳述するが、無理に直営店舗を出店しないという経営判断や、厳しい事業環境の中でも着実に収益成長を実現することが可能となっているのも、同社の優良な事業ポートフォリオに由来すると弊社では考えている。

そして、優良な事業ポートフォリオの実現を支えているのが同社の人材パワーや創業60年の実績、サントリーグループの信用力やブランド力だ。

これらの存在もまた同社の強みの重要な要素と言うことができるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

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