以下が、本日のマーケットで注目するべき3つのポイントである。
1. 原油在庫の減少によって60ドル台を保てるだろうか
今日の日本時間午後11時30分に米エネルギー情報局(EIA)は22日までの1週間の原油在庫を発表する。市場予想では 原油在庫は3週連続で減少するとみられている。
今日の午前5時30分に米国石油協会(API)が発表した原油在庫では、22日までの1週間で原油在庫は192万2000バレル増であった。その前週(15日までの1週間)では213万バレル減であった。
前回のEIAのレポートでは、米国の生産量は1210万という記録的水準が注目を集めた。
米国の原油生産水準は2020年3月には日量1300万バレルになるとされている。EIAは主な要因として、シェールオイルの主要地域であるパーミアン盆地からの産出による影響を挙げている。
WTI原油は1.9%高となり、26日の終値は59.94ドルとなった。ベネズエラ制裁などの要因によって世界の供給量が懸念される中で、原油価格は年初来20%以上の回復となっている。
シカゴのPrice Futures社のPhil Fynn氏は「マーケットはリスクオンの風潮であり、供給量に関しては大幅に減少する可能性はある」と語る。
同氏は一方「OPECの減産やベネズエラ産原油の輸出がない中で、米国の原油輸出は記録的水準になることが予想される」と付け加えた。
2. レナー、ルルレモンの決算報告
住宅経済データの雲行きが怪しい中で、26日の米国住宅建設大手であるKB homeの決算では売上高は予想を下回ったものの、EPSが予想を上回るなど好感され、時間外取引で上昇している。
続いて今日の住宅大手であるレナー(Lennar)(NYSE:LEN)の決算報告が市場開始前に控えている。
市場予想では、EPS(一株当たり利益)は76セントであり、売上高は40億ドルとされている。
同社株は、過去3ヶ月で上昇を続け、現在でも年初来高値圏で取引されている。一年前、レナーはCalAtlantic Homesを買収し、21の州で住宅建設を行っている。
市場終了後には、ルルレモン・アスレティカ(NASDAQ:LULU)の決算報告が控えている。
市場予想では、 EPSは1.74ドル、売上高は11億5000万ドルとされている。
ルルレモン株は、先週にWedbushによって「アウトパフォーム」から「中立」に格下げされている。
給与計算業務代行企業のペイチェックス(Paychex) (NASDAQ:PAYX) も市場開始前に第3四半期決算報告を控えている。市場予想では、EPSは88セントであり、前年比で約40%近い上昇である。売上高は10億4000万ドルと予想され、前年比20%の上昇である。
ブラジルの総合資源開発企業であるヴァーレ (NYSE:VALE)も市場終了後に2018年第4四半期決算報告を控えている。市場予想では、EPSは54セントで前年比80%の上昇である。売上高は100億7000ドルであり、前年比で9.8%増である。
3. 貿易赤字は縮小
貿易収支の発表も控えており、米中貿易戦争が始まって以来で良い兆候がみられるかもしれない。
日本時間午後9時30分に米国商務省経済分析局は、1月の貿易収支を発表する。
市場予想では、1月の貿易赤字は570億ドルに縮小するとみられている。
市場終了後では、米カンザスシティー連銀のジョージ総裁の講演が控えており、今後の金融政策の見通しのヒントが期待される。