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カンロ Research Memo(3):キャンディ市場で2ケタを超えるシェアを誇る

発行済 2019-03-29 15:13
更新済 2019-03-29 15:21
© Reuters.  カンロ Research Memo(3):キャンディ市場で2ケタを超えるシェアを誇る
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■事業概要1. 事業概要全日本菓子協会によると、2017年の菓子市場は小売金額で3兆3,898億円、生産金額で2兆5,016億円とかなり大きな市場で、小売金額、生産金額ともに微増を続けている。

菓子とは飴菓子、チョコレート、チューインガム、せんべい、ビスケット、米菓、和生菓子、洋生菓子、スナック菓子、油菓子、その他とジャンルは多岐にわたる。

アサヒグループ食品(株)や森永製菓 (T:2201)など複数のジャンルにまたがって生産する大手メーカーもあるが、規模の小さい専業メーカーも数多く存在する。

インバウンド需要や業界のキャンペーン強化もあって菓子市場全体は微増を続けているが、2017年の売上高は、飴菓子やチョコレート、米菓などが伸び、チューインガムやビスケット、洋生菓子が減少した。

その中でカンロ (T:2216)の属する飴菓子の市場規模は、小売金額で2,620億円、生産金額で1,920億円程度となっており(2017年全日本菓子協会)、飴菓子は菓子市場の中でも比較的高い伸びを示してきたと言うことができる。

飴菓子は主に飴、グミ、清涼菓子(錠菓)に3分類されるが、飴は長年微減傾向にあり、携帯性が好評で伸びていた錠菓がやや減速、グミは新食感が受けて拡大傾向を続けていると言われている。

このような市場で、同社のシェアは2ケタを超えると推定される。

ちなみに、同社の分類では「ノンシュガー果実のど飴」や「金のミルク」などが飴、「ピュレグミ」などがグミ、「まるごとおいしい干し梅」などが素材菓子で、錠菓は扱っていない(同社では飴とグミを合わせてキャンディと称している)。

なお、2018年については、小売店頭の状況や同社の売上動向から、引き続き飴菓子市場が菓子市場を上回る伸びを続けていると推察できる。

なかでもエポックメイクなことは、飴の市場が10年ぶりに増加に転じたと見られることである。

同社の飴もグミとともに強い伸びを示しており、飴の市場の好調を裏付けることができるが、実態は、同社の飴が飴全体の伸びをけん引したと言っても過言ではないと考える。

プロダクトアウトでもマーケットインでもヒットを量産2. 製造面の強み飴は、水あめや砂糖などの原料に添加物を加えて作る非常にシンプルな製品である。

このため、新規参入障壁は低いと考えがちだが、実は主原料や添加物の配合、製法による味と品質の差が大きく、いまだに小規模メーカーが多数存在する理由にもなっている。

同社には、そうした配合や製法に関する膨大なノウハウが、100年を超えて蓄積されている。

専業メーカーとして成長を続ける根源ということになるだろう。

同社のロングセラーで社名にもなっている「カンロ飴」が作られた時代は、戦後まもなくである。

当時、同社は宮本製菓株式会社という社名で「宮本のドロップス」をヒットさせ、地域で有数のキャンディメーカーとなっていた。

しかし、戦後の物不足で主原料の砂糖価格が上昇するなか競争が激化、打開策として画期的な製品を作ろうとレシピにしょうゆを利用することを思いついたのである。

似たような発想をしたメーカーも多かったらしいが、しょうゆの塩分のせいでべたつきや焦げ付きが発生し、製品化できたのは同社だけだったということである。

日本人にとって懐かしい味のする「カンロ飴」は大ヒットし、それにちなんで宮本製菓株式会社からカンロ株式会社へ社名を変えたのは前述したとおりである。

一方、新たなニーズやウォンツを掘り起こすことで作られた製品も数多い。

「健康のど飴」は1981年に菓子業界発の「のど飴」として発表され、新たなカテゴリーを創出した。

なかでも「ボイスケアのど飴」は、国立音楽大学声楽科と共同開発しプロの声楽家などに愛用されてきたが、その後カラオケ愛好者などへと購買層が広がっていった。

ほかにも、カロリーを気にする購買層向けに提案しヒットした「ノンシュガー飴」は、砂糖不使用ながら飴の味わいを犠牲にしない製法が特徴になっている。

同社はこのように、「カンロ飴」のような、素材にこだわって良いモノを作るというメーカーとして根源的な発想によるプロダクトアウトの製品や、「ボイスケアのど飴」のように、ニーズやウォンツにマーケットインした機能性のある製品を作り出し、世の中に長く広く受け入れられてきたのである。

そして、2018年には「カンロ飴」をリニューアルするとともに、ハイブリッドな「ミルクのカンロ飴」と「ハーブのカンロ飴」を新たに開発し、好評を博している。

リテールサポートは大きな強みとなり、売上げをけん引3. 営業面の強み同社の主な販路はスーパー(GMS含む)とコンビニエンスストア、ドラッグストアである。

2018年の販路別市場の伸びはスーパーが1ケタ前半、コンビニエンスストアが1ケタ半ば、ドラッグストアが2ケタ近い増加となったもようである。

そのような市場で同社は、スーパーが5%近く、コンビニエンスストアが1ケタ後半、ドラッグストアが20%近い伸びと非常に好調だったようだ。

好調の背景には、2016年12月期第4四半期にスタートしたリテールサポートの効果があると考える。

リテールサポートとは、従来営業だけで取引先を訪問していたのを、営業をエリア別・チャネル別に再構成した上で商品企画やマーケティングの担当者も同行、営業の場であるにもかかわらず納期や商品開発、キャンペーンを提案するなど、ソリューションの強化と時間の効率化を狙った取り組みである。

また、リテールサポート実質2年目の2018年12月期は、支店におけるエリア別・チャネル別のリテールサポート体制をさらに拡充している。

このため、競争の激しいコンビニエンスストアで取引先とのきめ細かい情報交換や製品提案が可能となり、また、手薄だった地方のスーパーやドラッグストアでは戦略的な提案ができるようになった。

こうした努力が、好調な販売につながったのだろうと推測している。

営業力は、足元でますます磨き込まれている。

コンビニエンスストアでは、同社の新形態のコンパクトタイプの飴で売場を拡大することができているようだ。

スーパーでは、同社のように取引規模や提案力のあるメーカーが、飴ならば飴のカテゴリーを代表してスーパーと折衝するカテゴリーリーダーとなる例が多くなってきた。

成長余地の大きいドラッグストアについては、前述のリテールサポートにより提案内容の充実を図るとともに、ドラッグストアの担当者間でノウハウの共有を進めており、さらには、2019年初頭に広域販売部内にドラッグチームを新設するなど、昨今ではドラッグストアに対する営業を積極的に展開するようになっている。

ちなみに、代表取締役社長の三須和泰(みすかずやす)氏をはじめトップマネジメントに出身者が少なくない三菱商事 (T:8058)だが、大株主(持分27.77%)の上、売上高構成比で95%以上になる大きな取引先でもある。

しかし、同社は、製造から販売まで専業メーカーとして、実質的に独自の理念や戦略に基づいて行動しており、三菱商事の主な役割は、与信管理や新規取引先開拓のサポート、一部原材料の調達となっている。

特段に与信管理を三菱商事に任せることで、同社は専業メーカーに専念することができる。

同社にとって得難いパートナーであり、強みの1つと言えるだろう。

一方、同社に弱みがあるとすれば、市場参入は早かったもののシェアが取り切れていないグミ、使用シーンが拡大しているものの未参入の錠菓、それにドラッグストアや地方スーパーでの出遅れ感——ということになる。

グミについては新グミ生産ラインが本稼働しており、新規販路や地方販路はリテールサポートによって強化中である。

錠菓については、「素材を生かす」という同社の考えに合わせづらいこと、飴とグミが好調なことなどから、当面は参入しない方針である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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