先週末の米国株式市場はトランプ大統領による対メキシコ関税の発表を嫌気し、主要3指数揃って下落した。
対メキシコ関税は、民主党だけでなく共和党内からも批判が出ている。米商工会議所をはじめとした各業界からも大きな不満の声が挙がっており、差し止めのための法的措置も検討されている。
メキシコは交渉団を米国に送り、関税賦課を回避しようとしている。この動きに対し大統領はツィッターで「問題は25年間も協議をしてきているということです。必要なのは協議ではなく行動です。メキシコが本気になれば1日で国境問題を解決できます」と述べた。月曜から交渉が始まるが、問題は落としどころをどこにするかだろう。強気なコメントを発する大統領がどこまでの関税賦課を本気で想定しているのか?関税賦課によっておこる米国経済や株価の低迷をどこまで許容するのか?交渉の行方をマーケットは慎重に見守っている。
このような不安定な情勢の中、米国10年債利回りは午前11時38分時点で2.123%と大きく低下。3か月債や1年債などとの逆イールドは継続中だ。ドル/円は108.18円まで円高が進んでいる。
前場の日経平均は2万373円と大きく続落して推移している。中国財新製造業PMIが予想を上回る結果となり、一時的に2万400円を回復したが、上値が重く売りに押されている。2万500円をあっさりと素通りし、2月安値の2万300円台の攻防となったことを見ても上値はかなり重い。日経平均のPBRが1.0近くとなる節目の2万円を目指す可能性もあるが、RSIや移動平均乖離率は反発してもおかしくない水準になっている。閣僚からの貿易協議に関するポジティブな発言が出れば、一気に反発する可能性もあるので注意が必要だ。
米株式指数先物は続落しており、このままいくと、今夜の米国市場は続落からのスタートとなる。しかし、テクニカルでみれば米国市場もいつ反発してもおかしくない水準にあることも事実で、下値模索がどこまで続くかに関心が集まる。NYダウ平均の下値も24500ドルはさすがに固いはずで、そこまでで下げ止まりたいところだ。ダウ平均先物は24676ドルとなっている。
後場の日経平均は上値の重さが続くだろう。米国債利回りが下げ止まれば、反発の道筋が見えてくるので、後場の時間帯で2.120%あたりで踏みとどまりたいところだ。日本独自の問題というよりは完全なる外部要因による下落でもあり、引き続き貿易摩擦に関するニュースでしばらく株価は上下に揺れ動くだろう。