トランプ米大統領が利下げ要求を続ける中、昨日から開催中のFOMCに注目が集まっている。今回のFOMCでは利下げに踏み切る可能性は低いと見られるが、7月利下げに向けて地ならしが行われるとみられる。
また利下げ幅がどれくらいとなるかも論点の一つだ。0.25%の利下げを予想する向きが多いが、FRBがさらなる金融緩和を目指し0.5%の利下げに踏み切るケースも考えられる。
7月FOMC後に0.5%の利下げが行われる確率は17.9%となっている。
年内のFOMCでは通常よりも大幅な量的緩和が決定される可能性がある。またトランプ大統領はツイッターでの利下げ要求を続けるだろう。
本日の米国市場で注目の3ポイントは以下の通り。
1. FOMC
6月FOMCは2日間の協議を本日終了し、20日午前3時に政策金利とFOMC声明を発表する。
市場は今回のFOMCでフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が2.25%から2.50%レンジで据え置かれる確率は80%、7月FOMCで利下げが行われる確率は85%を織り込んでいる。
伸び悩む米インフレ率や世界各国を巻き込む米中貿易戦争により利下げを要求する声が広がっている。
20日午前3時30分に開始される定例記者会見でのパウエルFRB議長発言も今後の金融政策の予想材料になるだろう。
グラントソントンのチーフエコノミストであるダイアン・スウォンク氏はFOMCメンバーが利下げを行うのは確実だとしている。背景には世界的な不況の脅威に先立って市場心理を回復させ、制裁関税の応酬により悪化した地合いを立て直す狙いがある。
2. 米EIA原油在庫量
19日午後11時30分、米エネルギー情報局(EIA)が米週次原油在庫量を発表する。108万バレル減とする予想に反し、3週連続での積み増しとなるのか注目が集まる。
19日午後時分時点でWTI原油先物は トランプ米大統領がツイッターの投稿で来週のG20サミットにおいて習中国国家主席と「更なる会合」を行うことで合意したと言明したことが好材料となっている。
ジュリアス・ベア(スイスのプライベートバンク)は、米中貿易摩擦緩和のサインが「世界経済にとってはもちろん、商品需要、そしてとりわけ原油需要に対し好材料となりうる」と指摘している。
なお、米石油協会(API)によると先週の米原油在庫量は81万2000バレル減であった。
3. オラクル決算報告
米ソフトウェア大手のオラクル(NYSE:ORCL)は19日大引け後に決算報告を行う。
3-5月期決算における予想EPSは1.07ドル、予想売上高は109億5000万ドル。
急成長するクラウドコンピューティング市場にやや遅れて参入した同社はシェア獲得のため投資額を増やしている。
なお12-2月期決算はクラウドやライセンスサービスの拡大に支えられ市場予想を上回る結果となっていた。
オラクルは年初来17.17%の上昇で、18日は52.90ドルで終値を迎えた。