米株主要指数1%超安、香港デモなど地政学的緊張が重し

Reuters

発行済 2019年08月13日 06:23

[ニューヨーク 12日 ロイター] - 米国株式市場は主要株価指数が1%超下落して取引を終えた。長引く米中貿易摩擦を背景に景気後退懸念が高まる中、地政学的な緊張感が投資家の動揺を誘った。

主要3指数は薄商いの中、そろって大幅安。香港の抗議デモ、アルゼンチン大統領予備選での現職マクリ氏敗北、長期化する米中貿易摩擦を巡って市場の不安が続いた。

パフォーマンス・トラスト・キャピタル・パートナーズのトレーディング責任者、ブライアン・バトル氏は、債券の大幅高を受けて株式が売られたとし、「政治的な不透明感を巡る問題が複数あり、安全への逃避が見られた」と述べた。

また、リスク回避から金価格も1%上昇し、6年超ぶりの高値を更新した。

ゴールドマン・サックス (N:GS)のエコノミストらは11日、米中貿易戦争がリセッション(景気後退)につながるリスクが高まっていると指摘。両国は2020年の米大統領選までには通商協議で合意しないとの見方も示した。

キングスビュー・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ポール・ノルテ氏は、海外要因が米経済成長だけでなく世界的に影響をもたらしていると市場が認識し始めたとし、「金利がどの水準にあろうと貿易問題は緩和しないという事実に投資家は同調しつつある」と述べた。

S&P500の主要11セクターがすべて下落。金融 (SPSY)、素材 (SPLRCM)、エネルギー (SPNY)、一般消費財 (SPLRCD)の下げがきつかった。

動画ストリーミング用機器メーカーのロク(Roku) (O:ROKU)が7.2%高。ニーダムが中型株の「トップピック」として推奨。競合大手ネットフリックス (O:NFLX)より選好するとした。

コーチを傘下に持つタペストリー (N:TPR)とベルサーチの親会社カプリ (N:CPRI)は、それぞれ3.9%と4.4%下落。商品に中国の主権を侵害するデザインがあったとして、相次いで謝罪を表明した。

メディア大手CBS (N:CBS)は1.9%、バイアコム (O:VIAB)は4.9%それぞれ下落。複数の関係筋によると、両社は株式による合併に向け詰めの協議を行っている。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.33対1の比率で上回った。ナスダックも2.10対1で値下がり銘柄数が多かった。

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米取引所の合算出来高は60億9000万株。直近20営業日の平均は72億4000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 25896.44 -391.00 -1.49 26169.9 26178. 25824. (DJI)

1 95 94

前営業日終値 26287.44

ナスダック総合 7863.41 -95.73 -1.20 7907.49 7924.9 7833.7 (IXIC)

前営業日終値 7959.14

S&P総合500種 2882.69 -35.96 -1.23 2907.07 2907.5 2873.1 (SPX)

前営業日終値 2918.65

ダウ輸送株20種 10030.17 -177.04 -1.73 (DJT)

ダウ公共株15種 824.96 -1.34 -0.16 (DJU)

フィラデルフィア半導体 1447.00 -17.34 -1.18 (SOX)

VIX指数 21.02 +3.05 +16.97 (VIX)

S&P一般消費財 919.69 -13.34 -1.43 (SPLRCD)

S&P素材 355.86 -5.78 -1.60 (SPLRCM)

S&P工業 625.69 -8.77 -1.38 (SPLRCI)

S&P主要消費財 604.79 -4.26 -0.70 (SPLRCS)

S&P金融 441.23 -8.70 -1.93 (SPSY)

S&P不動産 237.47 -0.71 -0.30

S&Pエネルギー 429.73 -6.23 -1.43 (SPNY)

S&Pヘルスケア 1046.00 -11.12 -1.05 (SPXHC)

S&P通信サービス 164.24 -1.70 -1.03 (SPLRCL)

S&P情報技術 1357.55 -17.27 -1.26 (SPLRCT)

S&P公益事業 307.45 -0.84 -0.27 (SPLRCU)