[10日 ロイター] - 中国株式市場は反落。8月の生産者物価の下げ幅拡大を嫌気し、1週間にわたる上昇が途切れた。
中国国家統計局が発表した8月の生産者物価指数(PPI)は前年比0.8%低下で、2016年8月以来の大幅なマイナスだった。7月は0.3%低下だった。アナリストは、国内外で需要は低迷しており、中国企業は受注獲得のための値下げや、コスト削減に向けた生産制限を余儀なくされているとし、その結果、企業の収益や景況感は一段と悪化していると指摘した。
米中貿易協議を巡る懸念もくすぶっている。来月初の協議での進展を危ぶむ見方もあり、投資家は米中双方からの発言に注目している。
ただ国内アナリストの多くは、米中貿易問題の状況の変化へのA株(人民元建て株)市場の感応度は低下したと指摘し、10月協議で進展があろうとなかろうと、市場への影響は限定的とみている。
この日の下げは、利益確定売りも一因。上海総合指数は、トランプ米大統領の対中追加関税「第4弾」表明を受けて急落した5月以降、強力な抵抗線とみられていた3000の節目を突破していた。
香港株式市場はほぼ横ばい。
ソウル株式市場は5営業日続伸して引けた。10月に開かれる米中閣僚級貿易協議を前に、両国の「貿易戦争」をめぐる不安が後退している上、世界各地の金融緩和に対する期待が勢いを増した。
ハナ・ファイナンシャル・インベストメントのアナリストは、米中貿易戦争が和らいだことで、7月と8月に韓国株を圧迫していた外的リスクが緩和されていると分析した。
建設株指数は2.8%高。主に北朝鮮関連銘柄に押し上げられた。
外国人は313億ウォン(約2623万ドル)相当の買い越し。
出来高は4億9630万株。取引された890銘柄のうち、上昇は554銘柄。
シドニー株式市場は反落した。エネルギー株が上昇したものの、ハイテク株やヘルスケア株の下落が全体を圧迫した。産金株の下げも響いた。
ハイテク株指数は3.4%安。ソフトウエア大手ワイズテック・グローバル (AX:WTC)は約7%安と、指数を最も下げ、1年半ぶりの安値を付けた。ピット・ストリート・リサーチのマーク・ケニス氏は、「人気があるハイテク銘柄が力強く上昇した後、投資資金が引き揚げられている可能性もある」と分析した。
産金株指数 (AXGD)は4%超下げ、4営業日続落。リスク資産選好の回復に伴い、金相場が4週間ぶりの安値に落ち込んだことが響いた。
鉱業株指数 (AXMM)は約1%安で、2日続落。黒鉛採掘大手シラー・リソーシズ (AX:SYR)は41.1%安と、2012年2月以来の安値まで落ち込んだ。10─12月期に1カ月当たり約5000トン減産する意向を表明したことが悪材料になった。
エネルギー株指数 (AXEJ)は2.4%高。石油ガス大手サントス (AX:STO)とオイル・サーチ (AX:OSH)が、それぞれ3%超上昇した。原油相場が6週間ぶりの高値まで上昇したことが支援材料になった。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20190910T110221+0000