[東京 30日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続落。前週末の米国株主要3指数が下落したことから、朝方から売りが先行。日銀短観など重要イベントを控えているため、積極的に買う材料がないなかで中間決算期末を意識され手仕舞い売りが優勢になった。後場は中国株の下落が嫌気され下げ幅を拡大したが、引けにかけて下げ渋った。
前週末の米国株式市場ではトランプ政権が米証券取引所に上場する中国株の廃止を検討しているとの報道を受け、主要株価指数が軒並み下落した。日経平均も流れを引き継いで続落スタートとなった。
緊迫する米中関係について、市場からは「米国が広範囲で中国をけん制に出た。日本株は中国の景気に敏感なため、米中関係の悪化は米株よりも日本株に影響しやすい。ダウンサイドリスクを警戒すべきタイミングとなった」(国内証券)との声が出ていた。
後場の日経平均は下げ幅を拡大。上海総合指数をはじめとする中国株の下落が嫌気された。市場からは「上半期の最終日で売り買いともに需給思惑が生じやすい場面だが、手掛かり材料難の中で利益確定売りが先行している」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)との声も出ていた。一時は212円下げ幅を広げたが、大引けにかけて急速に引き戻した。
TOPIXは続落。サービス業を除く32業種が売られた。
個別銘柄では、指数寄与度が大きいソフトバンクグループ (T:9984)が2.62%安、寄与度は24円80銭となった。出資する電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディング (N:BABA)の株価が下落したことや、共用オフィス「ウィーワーク」を運営する米ウィーカンパニーの上場が先延ばしとなったことが嫌気された。
大塚ホールディングス (T:4578)は大幅続落し、東証1部で値下がり率トップとなった。寄与度は23円04銭。アルツハイマー型認知症に伴う行動障害を対象とした2本目の「AVP─786」のフェーズ3試験で、要評価項目を達成できなかったことが嫌気された。
ゲーム関連株は堅調。コロプラ (T:3668)は一時ストップ高。スクウェア・エニックス・ホールディングス (T:9684)は年初来高値を更新した。両社が共同開発したスマートフォン向けゲーム「ドラゴンクエストウォーク」が堅調に推移していることが引き続き材料視された。また、スマホゲームの攻略情報サイトの運営を手がけるGameWith (T:6552)は一時ストップ高となった。
東証1部の騰落数は、値上がり456銘柄に対し、値下がりが1624銘柄、変わらずが61銘柄だった。
日経平均 (N225)
終値 21755.84 -123.06
寄り付き 21793.83
安値/高値 21666.6─21811.98
TOPIX (TOPX)
終値 1587.8 -16.45
寄り付き 1593.18
安値/高値 1583.02─1596.21
東証出来高(万株) 126255
東証売買代金(億円) 23371.08