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著名投資家マークス氏、米IPOの変調を歓迎 「市場が機能している証」

発行済 2019-11-28 16:15
更新済 2019-11-28 16:21
著名投資家マークス氏、米IPOの変調を歓迎 「市場が機能している証」

[東京 28日 ロイター] - 著名投資家のハワード・マークス氏は27日、米国で今年、大型IPO(新規株式公開)の不調が相次いでいることについて、市場が正しく機能してバブルを抑止している証だとして、歓迎する姿勢を示した。

米オークツリー・キャピタル[OAKCP.UL](本拠地ロサンゼルス、運用資産残高1220億ドル)は、クレジット、不動産、プライベート・エクイティ(PE)などを手がけるオルタナティブ資産運用会社で、特にディストレスト投資に強みを持つ。

半世紀にわたる運用経験を持つ、共同会長のマークス氏が1990年代から執筆する投資メモは、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏も愛読者として知られる。

マークス氏の来日インタビューの概要は以下の通り。

――足もとの市場環境をどう見るか。

「貿易戦争、マイナス金利、政治など、不透明感が蔓延している。通常は不透明要素が多ければそのリスクに報いるよう期待リターンも高まるが、今日では多くの資産クラスで、リスクに対する見返りが過去に例のないほどの低水準しか期待できなくなっている」

「資産価格が、ばかげた水準とまでは行かないが高い。本源的価値より安価な物はほぼ存在しないと言える。この低リターンの世界において、人々は必要なリターンを稼ぐため、リスクテークを余儀なくされている」

――誰もが同様に厳しい環境に直面する中、どのような投資戦略をとるか。

「たしかに今、(米国株の主要指数の)S&P総合500種 (SPX)は(2009年につけた)安値の4倍以上に上昇している。だが投資というのは、売りか買いか、完全に白黒つけられるものではないし、私も、保有資産を今すぐ売ってマーケットから退出すべきなどと言うつもりはない。ただ、これまでより慎重な投資スタンスをとるべきだと思う」

「オークツリーでは『注意を払いながら前に進む(Moving forward with caution)』アプローチをとっている。ポートフォリオはアグレッシブではなくディフェンシブに、しかし日々フルインベスト(全額投資)状態の維持を目指している」

「私は相場の下落を予言しているわけでもなければ、現状についてバブルだと言っているわけでもない。私自身、市場にとどまることが少々怖い半面、市場から退出してしまうことにも多少の怖さを感じている」

「我々はプライベートクレジット、不動産と不動産デットに積極的に投資している。新興市場のデットとエクイティ、また欧州市場のスペシャル・シチュエーションズとクレジットに積極投資している」

――米国市場やプライベートエクイティ(PE)の名前が挙がらなかったが、米国では今年、ユニコーン企業のIPOで投資家の失望を招く結果が相次いだ。IPOの計画自体に失敗したウィーワーク親会社のウィーカンパニーの例もある。

「ウィーワークについては、私は失敗ではなく、むしろマーケット側の勝利だと考えている。市場の仕事はきちんと規律を働かせること、そして投資家の仕事は市場をきちんと取り締まる、つまり『自警団』となることだ」

「ウーバー (N:UBER)やリフト (O:LYFT)、ペロトン (O:PTON)といったユニコーンのIPOがあって、上場後に株価が下がったのならば、それは他の投資家たちに対して、バブルで膨れ上がった期待にではなく、きちんと企業分析を行って妥当性を検証した価格にこそ投資すべきだというメッセージとなる」

「私にとっては、人々がどんな価格に対しても『高過ぎる』と言わなくなった時こそがバブルの前兆だ。だからウィーワークの件については、マーケットがきちんと機能しているポジティブな証だと考えている」

――逆に、投資妙味がある地域と資産クラスは。

「私の50年にわたる投資家人生で得た経験から、どうやったら投資で大金を儲けられるかという問いに答えるなら、それは他の人がやりたくないことをすることだ」

「現在、中国およびそれ以外の新興国については投資に躊躇する向きがある。掘り出し物があるとすれば、まずは中国だろう。我々は中国のエクイティと不良債権に積極投資している」

「それ以外の新興国では、特に政治や経済の面で困難を経験したラテンアメリカのいくつかの国のデットに投資している」

――運用に携わって半世紀の節目を迎え、9月末には加ブルックフィールドアセット (TO:BAMa)がオークツリーの過半数株式の取得も完了した。自身は今後も投資を続けるつもりか。

「(共にバークシャー・ハザウェイの)ウォーレン・バフェットが89歳、チャーリー・マンガーはまもなく96歳の誕生日を迎えるところだ。自分が彼らと同列だと言うつもりはないが、投資はそれだけ長くできるということだ。とても挑戦しがいがあり、面白くて刺激的な仕事だと思っている」

(編集:石田仁志)

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