[東京 20日 ロイター] - 東芝 (T:6502)は20日、HOYA (T:7741)が実施しているニューフレアテクノロジー (T:6256)の公開買い付け(TOB)に、連結子会社の東芝デバイス&ストレージ(東芝D&S)が応募しないことを決議したと発表した。東芝D&Sがニューフレアの完全子会社に向けて実施しているTOBの成立を目指す方針に変わりはないとしている。
東芝は親子上場に伴う利益相反を防ぐための政府の指針を踏まえ、上場子会社であるニューフレアへのTOBを連結子会社の東芝D&Sを通じて実施している。これに対してHOYAが、東芝D&SのTOB価格を上回る条件でのTOBを表明、争奪戦の様相となっている。
東芝D&Sのニューフレアに対するTOB価格は1株1万1900円。HOYAのTOB価格は1万2900円。
東芝のTOB成立の下限は14.27%の取得。15.80%を保有する東芝機械 (T:6104)から買い付けられれば成立する。ただ、東芝より高いTOB価格をHOYAが示したため、東芝機械としては東芝への売却を株主に説明しにくくなっている。東芝機械は、投資家の村上世彰氏に近い投資会社などが筆頭株主となっている。
一方、HOYAはニューフレア株の66.67%をTOBの下限とする方針。東芝グループでは東芝D&Sがニューフレアの52.40%を保有しており、東芝D&Sが売却に応じなければ、HOYAのTOBは成立しない。
(石田仁志)