[20日 ロイター] - 米食品医薬品局(FDA)は20日、第一三共 (T:4568)と英製薬大手アストラゼネカ (L:AZN)が共同で手掛ける進行性乳がんの治療薬を通常より3カ月前倒しで承認した。
アストラゼネガは3月に第一三共と同薬の販売許可などを巡り契約を結んでおり、対価として最大69億ドルを支払う内容となっている。
承認を受けた乳がん治療薬は「Enhertu」(開発名DS-8201)。FDAは肺がんや胎児への毒性のリスク上昇について最も強い警告である「枠組み警告」を追加した。
FDAは、同薬の効果を立証・説明するために、追加の臨床試験が必要になる可能性を指摘した。
同薬は、乳がん患者の約2割に発現する、がん細胞の異常な増殖を促すたんぱく質「HER2(ハーツー)」に作用する。HER2が多く発現するがんの治療薬としては、スイス・ロシュ (S:ROG)の抗がん剤「ハーセプチン」が先行してきた。