EXCLUSIVE-中国、上海・ロンドン株式相互接続を一時停止 政治的緊張で=関係筋

Reuters

発行済 2020年01月02日 16:53

EXCLUSIVE-中国、上海・ロンドン株式相互接続を一時停止 政治的緊張で=関係筋

[香港/ロンドン 2日 ロイター] - 上海証券取引所とロンドン証券取引所 (L:LSE)の株式相互接続(ストック・コネクト)制度を中国が一時的に停止したことが、関係筋の話で明らかになった。英国との政治的緊張が理由という。

上海・ロンドン株式相互接続は、上海上場企業がロンドンに、ロンドン上場企業が上海にそれぞれ上場できる制度で、中国企業の投資家基盤拡大や、中国の投資家による英上場企業への投資につながるとみられていた。

当局者や上場計画に関わる人物を含む関係筋5人は全員、制度の一時停止は政治的な理由によるものだと話した。うち2人は、香港のデモを巡る英国の姿勢に言及し、1人は香港の英領事館職員が中国本土で拘束された件を巡る英国側の反応に触れた。

中国証券監督管理委員会(証監会、CSRC)と上海証取はコメントの求めに応じていない。ロンドン証取の広報担当者と英財務省報道官はコメントを控えた。

中国外務省は声明で、詳細は承知していないとしたうえで、「英国に投資する中国企業に対し英国が公平で偏りのない事業環境を提供し、両国が様々な分野で円滑に協力できるよう英国が適切な環境を整備することを期待する」とした。

上海・ロンドン株式相互接続を通じた英上場は中国の華泰証券 (SS:601688)が第1号となった。[nL4N23P0MZ]

代替エネルギーのSDICパワーが12月に第2号となる予定だったが、最終段階で延期され、同社は市場環境が主な理由としていた。

関係筋5人によると、SDICパワーの案件は中国政府が株式相互接続制度を一時停止したため保留になったという。

関係筋の1人によれば、このほか中国太平洋保険は早ければ2020年第1・四半期にも案件をローンチする可能性があったが、同社も英上場計画を保留するよう指示されたという。