米大手3行、CEOは慎重ながらも先行きを楽観

Reuters

発行済 2020年01月15日 08:49

米大手3行、CEOは慎重ながらも先行きを楽観

[14日 ロイター] - 米銀大手3行が14日に発表した決算では、貿易戦争、低金利、地政学リスクにもかかわらず、主力事業に大きな落ち込みはみられなかった。経営トップは慎重ながらも今年の成長を楽観している。

JPモルガン・チェース (N:JPM)は過去最高益を記録。シティグループ (N:C)も16四半期連続で融資と預金が拡大した。営業慣行を巡る不祥事が起きたウェルズ・ファーゴ (N:WFC)でも当座預金口座の顧客が増えた。

JPモルガンとシティは、債券トレーディングで多額の利益を計上、業績は市場予想を上回った。ウェルズ・ファーゴの決算は経費の増加で予想を下回ったが、アナリストは実質ベースの業績は相対的に良好と指摘している。

RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、ジェラルド・キャシディ氏は「新年に入り、法人・投資銀行・コンシューマー部門が好調のようだ」とし「3行すべてで貸出債権の質が改善しており、業界全体にとって良い兆候だ」と述べた。

景気後退リスクが浮上していた1年前に比べると、見通しは改善している。

JPモルガンでは昨年の利益が364億ドルと過去最高を記録。収入も1つの事業部門を除いてすべて増加した。

ダイモン最高経営責任者(CEO)によると、同行は新たな市場で70以上の支店を開設。中国事業を拡大し、技術への投資も進めた。

同CEOは、貿易摩擦を巡る緊張の緩和が第4・四半期のトレーディング収入に寄与したと指摘。「心理が上向いたため、トレーデングも上向いた。これがいつまで続くはわからない」と述べた。

シティのコルバットCEOは、デジタルバンキングの導入を通じてリテール部門を拡充したと発言。大手法人向けの事業も収入と利益が増加した。