アジア株式市場サマリー:引け(4日)

Reuters

発行済 2020年03月04日 17:14

アジア株式市場サマリー:引け(4日)

[4日 ロイター] - シドニー株式市場は大幅反落、9カ月ぶりの安値で引けた。きょう発表されたオーストラリアの国内総生産(GDP)成長率が予想を上回ったほか、新型コロナウイルスが世界経済に与える影響への懸念が広がる中で米連邦準備理事会(FRB)が昨夜突然の利下げを発表したが、シドニー市場では材料視されなかった。

S&P/ASX200指数は、前日終値比110.30ポイント(1.71%)安の6325.40と、終値ベースで昨年6月以来の安値で終了した。

豪統計局が発表した2019年10─12月期のGDPは前期比0.5%増と、市場予想を上回る伸びとなった。ただ、今四半期は新型ウイルスの感染拡大に伴う旅行制限が成長見通しを曇らせている。

ANZリサーチのシニアエコノミスト、フェリシティ・エメット氏は「コロナウイルスの経済的影響が、当初の観光業への影響から、サプライチェーンの混乱、中国需要の弱さの持続、内需減退へと広がる中、リセッション(景気後退)のリスクが急増している」と指摘した。

FRBの0.5%利下げは投資家心理を押し上げるには至らず、3日の米株価は主要3指数が軒並み3%近く下落した。

シドニー市場では、大きな比重を占める金融株指数 (AXFJ)が株価全般の下落を主導し、8営業日続落。4大銀行株は2.5%─3.7%安。

最大手コモンウェルス銀行 (AX:CBA)は2.5%下げ、4カ月ぶり安値で引けた。2位のウエストパック銀行 (AX:WBC)は3.1%安。

事業の大半を海外で展開するヘルスケア企業で構成される株価指数 (AXHJ)は2.3%安。豪ドル高が響いた。

主要銘柄CSL (AX:CSL)は2.2%、米レスメド (AX:RMD)は1.5%、それぞれ下落した。

IT株指数 (AXIJ)は4.2%安。前日の米株安につれた。ソフトウエアサービスのゼロ (AX:XRO)は3.5%安、「後払いサービス」を展開するアフターペイ (AX:APT)は4.2%安。

エネルギー株指数 (AXEJ)は約1年ぶりの安値で終了。主要銘柄はウッドサイド・ペトロリアム (AX:WPL)が3.4%、サントス (AX:STO)が1.9%、それぞれ下落した。