Reuters
発行済 2020年03月05日 10:33
米社債、リスク選好回復で上昇 新型ウイルスに絡む格下げに警戒も
[ニューヨーク 4日 ロイター] - 米国の投資適格級社債と高利回り社債が4日、投資家のリスク選好の回復を受けて上昇した。ただ、新型コロナウイルスの影響が特に大きいセクターなどに対しては警戒感も根強い。
市場ではこのところは「質への逃避」が広がっていたが、4日は米下院で総額83億ドルの新型ウイルス対策予算案が可決され、米連邦準備理事会(FRB)による前日の緊急利下げもあり、投資家心理が改善した。米大統領選に向けた民主党候補指名争いのヤマ場となる「スーパーチューズデー」で中道派のバイデン前副大統領が躍進したことも買い安心感につながった。
投資適格級社債の主要上場投資信託(ETF)である「iシェアーズiBoxx投資適格級社債ETF」 (P:LQD)と「PIMCO投資適格級社債ETF」 (K:CORP)は4日午前の取引で最高値を更新した。
高利回り債市場でも、「iシェアーズiBoxxハイイールド社債ETF」 (P:HYG)と「SPDRブルームバーグ・バークレイズ・ハイイールド社債ETF」 (P:JNK)がともに約1.3%上昇した。
ナットアライアンス・セキュリティーズのアンドリュー・ブレナー氏は「株価が上昇しているほか、FRBがより長期にわたって低金利を維持する姿勢や協調対応の可能性を示したことを踏まえると、高利回り債に買いが入るだろう」と述べた。
ただ、格下げの恐れのある企業や、新型ウイルスの影響が特に大きいセクターの信用見通しに関しては悲観的な見方も出ている。
米社債は記録的高値水準にあるが、ジャンク級の1段階上に当たる「トリプルB」格付けの社債も記録的な規模に膨らんでいる。中国で今年起きたような突然のショックに見舞われた場合、キャッシュフローが打撃を受け、格下げのリスクが高まる。
アリアンツの首席経済顧問、モハメド・エラリアン氏は3日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)で「結果的に、米社債市場の複数部門でテクニカルな状況が悪化している時に信用の質が低下する」と指摘した。
格付け会社S&Pグローバルは3日に公表したリポートで、影響を受けやすいセクターとして自動車、航空、エネルギーを挙げた。
フィッチ・レーティングスのアナリストは「新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が深刻になった場合、ゲームや外食、娯楽、ホテル部門でキャッシュフローが著しく低下する」との見方を示した。
が書いた: Reuters
金融商品や仮想通貨の取引は投資金額を失う高いリスクがあります。仮想通貨の価格は非常にボラティリティーが高く、金融、規制、政治など、外的な要因に影響を受けることがあります。また信用取引はリスクが高いことを十分に理解してください。
金融商品または仮想通貨の取引をする前に、金融市場での取引に関わるリスクやコストについて十分に理解し、専門家の助言を求めたり、ご自身の投資目的や経験値、リスク選好等を注意深く検討することを推奨いたします。
Fusion Media によるこのウェブサイトのデータが、必ずしもリアルタイムおよび正確ではないということをご了承ください。またデータや価格が、必ずしも市場や取引所からではなく、マーケットメーカーにより提供されている場合があります。その為、価格は気配値であり、実際の市場価格とは異なる可能性があります。Fusion Media および当ウェブサイトへのデータの提供者は、当ウェブサイトに含まれる情報を利用したすべての損失に対して一切の責任を負わないものとします。
Fusion Media およびデータ提供者による事前の書面の許可なしに、当ウェブサイト上のデータを使用、保存、複製、表示、変更、送信、配信することを禁じます。すべての知的財産権は当ウェブサイト上のデータの提供者、または取引所が有します。
Fusion Media は当ウェブサイトに表示される広告により報酬を得ることがあります。
上記内容は英語版を翻訳したものであり、英語版と日本語版の間に不一致がある場合は英語版が優先されます。