[ニューヨーク 6日 ロイター] - 新型コロナウイルスの感染拡大への不安から今週何回も急落した米株式市場だが、ウイルスを巡る状況に振れる展開が続くと予想される。ただ、こうしたウイルス相場のなかで売り込まれてきた航空、ホテル、クルーズなどの銘柄には、押し目買いの機会を窺う動きも出始めた。
1000ドルもの急落となるなかで特に売りを浴びたレジャー関連株はかなり妙味がでていると一部投資家は指摘する。
例を挙げると、アメリカン航空グループ (O:AAL)の予想株価収益率(PER)が3.3倍。年初は5.4倍だった。ホテル運営のマリオット・インターナショナル (O:MAR)は17.6倍(年初23.2倍)、クルーズ船のカーニバル (N:CCL)は6.4倍(年初11.6倍)といった状況だ。
新型ウイルスが発生国の中国以外で猛威をふるうようになり、これらの銘柄に対する悲観的見方が消えたわけではないが、このところの急落の押し目を狙う向きのレーダーに入っているようだ。
アクティブ型上場投資信託(ETF)を手掛けるアドバイザーシェアーズは、ハワイアン航空の親会社 (O:HA)やスカイウエスト (O:SKYW)など国内線を主力とする航空会社株を買い増し、アメリカン航空株を空売りした。「規模が小さめの地域航空会社は、今の(需要低下の)危機を乗り越えられる。大手は苦境が続くだろう」とノア・ハマン最高経営責任者(CEO)は話した。
ハリス・ファイナンシャルのファイナンシャルアドバイザー、ジェイミー・コックス氏は、保有するデルタ航空株に強気姿勢を崩していない。業界再編により会社が少なくなり、さほど運賃を値下げしなくても乗り切れるとみている。
ただクルーズ船運航会社には悲観的。横浜港の「ダイヤモンド・プリンセス」の集団感染問題が投資家心理を冷やすと指摘する。「航空会社の中国便運休よりも、ダイヤモンド・プリンセスのほうが、ずっと長く人々の記憶に残るだろう」とコックス氏は述べた。