FRB緊急策は州・地方政府資金繰りの「命綱」に、市場は概ね好感

Reuters

発行済 2020年04月10日 15:46

[シカゴ 9日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が、新型コロナウイルスとの戦いで最前線に立つ州・地方政府の支援に向け、地方債買い取りに5000億ドルを振り向けると発表したことについて、市場の緊張を和らげる一定の効果はあるとアナリストは評価する。ただ、税収減による地方財政の悪化は食い止められないとみられる。

ミュニシパル・マーケット・データ(MMD)のアナリスト、グレッグ・ソルニア氏によると、FRBの発表を受けて地方債の価格が上昇し、トリプルA格付けの地方債の利回りは6─10ベーシスポイント(bp)低下。上場投資信託(ETF)「iシェアーズ・ナショナル・ミュニ・ボンド」 (MUB)の価格は同日に0.8%上昇した。

FRBの計画によると、全50州と人口200万人以上の郡ならびに人口100万人以上の市が発行する償還期限が最長で2年の地方債を直接買い取る。州政府のほか、10市、13郡と首都ワシントンが対象となる。

新型コロナ対策で事業所閉鎖やサービス業が営業停止となるなか、失業者は増加する一方で消費支出は減少しており、州・地方政府の税収を直撃するとみられている。