連邦政府年金基金の中国投資、米議員らがトランプ氏に停止要請

Reuters

発行済 2020年04月22日 02:25

[ワシントン 21日 ロイター] - 米議員や元政府高官が、人権侵害や米国の安全保障を脅かす疑いのある中国企業への株式投資を連邦公務員の年金基金に停止させることを求め、トランプ政権に働き掛けている。関係筋の話などで分かった。

軍人や連邦職員の退職金である連邦公務員向け確定拠出型年金(TSP)を運用する政府機関、連邦退職貯蓄投資理事会(FRTIB)が500億ドル規模の国際株の投資先として、米国が警戒している中国の企業の株を含むMSCI総合世界市場(米国除く)株式指数を採用することに反対の意見が上がっている。

MSCI指数で問題視されている企業の一つが監視カメラ大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン) (SZ:002415)。製品が新疆ウイグル自治区の強制収容所で使われたことを理由に2019年、事実上の禁輸リストである「エンティティーリスト」に追加された。米国の制裁違反で罰せられた中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE) (SZ:000063)も指数に入っている。

レーガン政権時代の政府高官、ロジャー・ロビンソン氏は「政府職員は、自身の意思と関係なく退職金で国家安全や人権を脅かす企業に資金を投じることを強制されるのか」と問い掛けた。

FRTIBのウィーバー報道官は、他の機関も同様の投資をしているとし、投資を拡大しなければ「退職年金基金の中でFRTIBのみ遅れを取ることとなる」と指摘した。