Reuters
発行済 2020年05月15日 11:49
[ロンドン 14日 ロイター] - 世界的な保険市場ロイズ・オブ・ロンドン(ロイズ保険組合)は14日、新型コロナウイルスの感染拡大に絡む保険金支払額は30億─43億ドルに上る公算が大きいとの見方を示した。2001年の米同時テロにより生じた保険金額とほぼ同水準になるとしている。
新型コロナにより、世界中で企業活動やイベント、旅行が停止に追い込まれ、高額な保険金請求につながっている。
ロイズは、今年の世界の非生命保険の保険金請求額と投資損失は総額2030億ドルと、過去最大になる可能性があるとみている。
チューリッヒ保険 (S:ZURN)も14日、新型コロナ絡みの非生命保険の支払額が7億5000万ドルになるとの見通しを示した。
金融市場の下落で、保険金の支払いに充てるため利用している投資も打撃を受けており、保険会社にとっては二重苦の状況だ。
ロイズのジョン・ニール最高経営責任者(CEO)はロイターに対し「保険業界にいる誰もが(保険金額の増大と投資損失の拡大の)両方が同時に起きる状況を見たことはないだろう」と語った。
内訳は、投資による損失が960億ドル。世界のコロナ関連の保険金請求額が1070億ドル。ロイズは保険金請求額について、05年のハリケーン「カトリーナ」などから17年の「ハービー」「イルマ」「マリア」までを加えた自然災害に伴う請求額に匹敵する規模になるだろうと指摘した。
今回の推計はソーシャルディスタンス(他者との距離)の確保や各種の封鎖措置を踏まえたもので、世界の国内総生産(GDP)が縮小するとの想定にも基づいている。生命保険の請求額は含まれていない。
が書いた: Reuters
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