欧州エアバス、人員削減規模の縮小も 政府支援と引き換えに

Reuters

発行済 2020年07月02日 11:50

[トゥールーズ/ベルリン 1日 ロイター] - 欧州航空機大手エアバス (PA:AIR)は1日、新型コロナウイルス危機を受けた1万5000人の人員削減計画について、雇用維持や研究・開発への政府支援と引き換えに、縮小もあり得ることを示唆した。人員削減に対しては、政治家や労組が反発している。

フランス政府はエアバスに対し、できる限り人員削減を少なく抑えるよう要求。フランスとドイツの労組はエアバスのリストラ計画は「レッドライン」と批判した。

フランスのドジェバリ交通担当副大臣はBFMテレビに対し、「仏政府はエアバスに、強制的な人員削減をできる限り少なくすることを求める」と話した。ドイツのアルトマイヤー経済相は、「エアバスのリストラが(拠点を置く)どの国も優遇されたり、不利益を被ったりすることなく、行われると想定している」と述べた。

エアバスによると、2021年半ばまでにフランスで5000人、ドイツでは5100人、スペイン900人、英国1700人、その他地域で1300人を削減する。

新型コロナの影響以外でも、ドイツを拠点とする子会社プレミアム・アエロテックで900人の削減を行う。

一方、エアバスの最高人的資源責任者を務めるティエリー・バリル氏は1日、記者団に対し、仏政府が新たな時短計画を最終決定すれば、同国における削減目標5000人のうち、5分の1は救われるとの見方を示した。また、次世代の環境配慮型ジェット機開発への政府支援により、さらにエンジニア500人の雇用が守られる可能性があるという。

エアバスはまた、ドイツでも同様の政府支援により、1500人の雇用が守られるとみている。