米大手銀が個人の返済猶予を延長、貸倒損失の発生も後ずれへ

Reuters

発行済 2020年07月20日 13:05

[ニューヨーク 17日 ロイター] - 米銀大手の幹部らは、新型コロナウイルスの感染拡大で経済的に打撃を受けている多数の個人顧客に対するクレジットカードや自動車ローン、住宅ローンの返済猶予を延長したと明らかにした。

返済に時間が必要な顧客にとっては朗報だが、一部の大手銀は消費者向け融資のうち何件が不良債権化したかについて、年末あるいは来年初めまで把握できなくなる可能性がある。

バンク・オブ・アメリカ(バンカメ) (N:BAC)のポール・ドノフリオ最高財務責任者(CFO)は16日、「クレジットカード関連損失の大半は(返済猶予)策終了から180日後まで数字に表れない見通しだ」と説明。「損失が大きく膨らむのは21年になるだろう」とした。

バンカメ、JPモルガン・チェース (N:JPM)、シティグループ (N:C)、ウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ) (N:WFC)の各行は、新型コロナ感染拡大を受けて今春に導入した返済猶予策を延長。顧客には延滞料がかからず、信用情報も残らない。

ロイターの推計によると同4行は計330億ドルの貸倒引当金を計上した。