[北京 28日 ロイター] - 中国政府系のウェブサイトは28日、中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟副会長兼最高財務責任者(CFO)の逮捕に「悪意を持って」関与したとして、英金融大手HSBCホールディングス (L:HSBA)に警告するコラムを掲載した。
孟氏はイランで操業している企業とファーウェイとの関係についてHSBCを誤った方向に導いたとして、米国で銀行詐欺などの罪に問われ、カナダで逮捕された。米国は引き渡しを要請しているが、孟氏は抵抗を試みている。HSBCは、米国の対イラン制裁違反で罰金を科されるリスクに直面している。
中国国務院新聞弁公室と中国国際出版グループが支援する「中国網」は署名入りのコラムを掲載し、「孟晩舟事件におけるHSBCの役割は既に一目瞭然だ。HSBCの信用も失墜した」とした上で、「米政府のファーウェイに対する政治的追求で、HSBCは『ナイフを手渡した』」と論評した。
HSBCは25日、米司法省がファーウェイを捜査すると決定したことに関与しておらず、同社に「悪意」はなかったとする声明を発表した。
中国網のコラムは、こうしたHSBCの否定を「何の意味もない」と一蹴。「今や自重せず堕落し、信用が失墜したHSBC」が中国で引き続き受け入れられようとしても、それは困難かもしれないとの見方を示した。
HSBCの収益の大半は香港と中国本土に依存している。同社は通常は政治的中立の姿勢を維持しているが、先月には中国政府の「香港国家安全維持法」施行に支持を表明した。