スズキ、4―6月期純利益95%減 インドでの感染拡大で通期予想未定

Reuters

発行済 2020年08月03日 16:35

更新済 2020年08月03日 19:36

[東京 3日 ロイター] - スズキ (T:7269)が3日発表した2020年4―6月期連結決算は、純利益が前年同期比95.6%減の17億円だった。新型コロナウイルス感染拡大により、主力市場のインドで四輪・二輪の販売が急減した。21年3月期通期の連結業績予想は、インドで感染が拡大しており、現時点で見通しを合理的に算出することが困難であるとして引き続き「未定」とした。

4―6月期の営業利益は前年同期比97.9%減の12億円、売上高は同53.1%減の4252億円だった。感染拡大を防ぐために実施されたインドやハンガリーなどでのロックダウン(都市封鎖)による操業停止に伴い、固定費相当額154億円を特別損失に計上したことも利益に響いた。

長尾正彦取締役は電話会見で、インドについて「日を追うごとに感染者が増えている」と指摘。いつ感染が収まるかを根拠あるもので示すことは不可能であり、こうしたインドの状況を踏まえ、通期予想は「いつ見通しを出せるか、時期も含めて未定だ」と説明した。「いろいろ情報取集していかないといけない」とも述べた。

一方、コロナの影響の長期化リスクに備え、新たに銀行から4―6月にかけて計4000億円の借り入れを実施したことも明らかにした。6月末時点の現金残高は7672億円で、「万全の態勢をとっている」と語った。

7月末に発表したスズキ傘下のインド大手自動車メーカー、マルチ・スズキ・インディア (NS:MRTI)の4―6月期決算は、純損益が24億9000万ルピー(3330万ドル)の赤字(前年同期は143億6000万ルピーの黒字)だった。四半期として2003年の上場以来、初の最終赤字となった。

インドではコロナ感染拡大を防ぐため、3月下旬から2カ月余りにわたりロックダウン(都市封鎖)を実施。マルチによると、ロックダウンにより供給網が滞り、ほとんど生産も販売もできなかった。